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『シン・ゴジラ』に見る「パトレイバー」と「東のエデン」要素。

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公開から間もなく1週間が経ち、国内では『ギャレゴジ』を超えるヒットが確実となった『シン・ゴジラ』。
私自身は楽しめたのですが正直なところ、もっと賛否が分かれると思っていたので、意外なほど絶賛の嵐で逆に驚いております。
武力行使自衛隊を賛美してる」などと声を荒げる頭の可笑しな連中の的外れな批判はさておき、「こんなのゴジラじゃない」とか「ありゃ使徒だ」と言いたくなる否定派の方々の気持ちは分かりますし、そういった意見もあって然るべきでしょう。
それだけゴジラシリーズが多用化し、人それぞれが自分の「ゴジラ像」を持っている訳ですから肌に合わない事だってあります。
私だって北村龍平の自己満足映画でしかないFINAL WARS』とか未だに許容できませんからね(苦笑)。

巷ではシン・ゴジラ』が「エヴァっぽい」という感想をよく耳にするのですが、それはエヴァが特撮映画をオマージュしているからであって、私はむしろ「パトレイバー」や「東のエデン」要素の方が強いように感じます。

例えば映画の冒頭で全ての真相を知る人物が姿を消す展開に『機動警察パトレイバー the Movie』の帆場暎一を想起したファンは多いでしょうし、多国籍軍による軍事介入やそれまでの猶予期間は『機動警察パトレイバー2 the Movie』。
ゴジラの出自が各国の投棄した放射性廃棄物であり、分裂して増える可能性が示唆された点などはプロセスこそ違えど、どこか「廃棄物13号」を彷彿とさせる。

各部署の跳ねっ返りが集められた「巨大不明生物特設災害対策本部」はキャラの濃さを含め「特車二課」だし、臨時で担ぎ上げられた里見総理大臣代理も「ラーメン伸びちゃったよ」や「そんな簡単に言うなよ~」とボヤいたかと思えば、裏で手を回し核攻撃を遅らせ最終的に策士と思われた赤坂を差し置いて復興に向けた人事を行うなど、実に後藤隊長的な人物でありました。

また理想主義者・矢口と現実主義者・赤坂の関係性は『東のエデン』の滝沢朗(ロマンチスト)と物部大樹(リアリスト)の対立構造に瓜二つ。

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赤坂役の竹野内豊さんに関してはビジュアルからして物部そのものだし、危機的状況を利用しスクラップアンドビルドで日本を立て直すという手段まで一致していて驚かされる。
矢口と滝沢も他者を引っ張る人間力や多くの人々の力を借りて危機を乗り切るという点で共通しており、『東のエデン』ファンとしてはそういった部分にもニヤリとさせられました。