HDDレコーダーの奥底に眠っていた「午後ロー」ON AIRタイトルを消化。
一本目は米国では既に過去の人となり「沈黙」しているようなもんなスティーヴン・セガールの映画。
邦題は例によって原題無視で「沈黙」と付くけど沈黙という部分はセガールと解釈するのが映画ファンの間ではお約束。
麻薬取締局のエースなのに態度と腹ばかりでかいセガールおじさんが相棒を殺されたんで、同じチンピラに妻を殺されたマフィアのドンと結託して報復するってだけの作品。
申し訳程度のバイオレンス、最近トンと見なくなったドンパチ、セガールまさかのラブシーンが飛び出すのだが、このおっさんベットの上でもとにかく動かない(笑)。
全盛期のセガール拳はどこへやら。
武術というよりはどこぞの新興宗教の教祖様みたいに超能力で倒しているようにしか見えん(苦笑)。
流石「木曜洋画劇場」の流れを汲む「午後ロー」だけあって聞いた事のないようなマイナー作品もぶっ込んで来る。
病に蝕まれて父とその事を知らない娘の殺し屋コンビの物語。
雰囲気はなかなか良いと思うのだがマイナー過ぎる所為か吹き替え声優が養成所の人間使ってんじゃないかってくらいヘタクソで終始イライラ。
これがベテランだったら印象は違ったかもしれない。
死期を悟った親父さんと、その事を知らない娘と、彼女にアプローチを仕掛ける若いイケメンと、親父さんの命を狙って来たのに何故か後継者的なポジションに収まる殺しのルーキーの変な四角関係が描かれるのだが、どうにも盛り上がらず黒幕の正体も最後のオチもパッとしない。
電話番号聞かれたあの女医さん完全に蚊帳の外やないか!!。
ジャケット・タイトル共にレンタルショップの端っこで埃を被っているような作品。
セガールの傑作アクション映画とは何の関係もないし、そもそも暴走するのは最後だけという酷い詐欺である。
しかしこの作品スタッフとキャストは地味にキャリアのある人間を揃えているから不思議。
物語はアクションなどではなくシチュエーション・スリラーで、
若い男と不倫まがいの事をした結果、襲われそうになって殺っちまって、ただでさえ罪悪感に苛まれているのに自分の荷物の中に身に覚えのない怪しい"品物"が入っていて、ドンドン追い詰められていく奥さんに感情移入してハラハラするとても地味な映画。
映像は綺麗なんだけど、タイトルなどの取っ掛かりからして間違いだらけなので肩透かしが半端ない。
最後は夫婦円満になってハッピーエンド。