感想
主演の阿部ちゃんが第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、映画自体も興行収入59億円を超える大ヒットを記録したにも関わらず原作者のヤマザキマリさんには百万円の仕様料しか支払われなかったと話題になった『テルマエ・ロマエ』が地上波放送されたので観る。
いやもうホント馬鹿馬鹿しくて最高ですね。
阿部ちゃんを始めとする濃いメンの演者さんが普通の顔してローマ人を演じてるのも可笑しいのですが、ファーストインプレッションで日本人を「平たい顔族」と評したのには爆笑しました。
原作者のヤマザキマリさんが海外暮らしが長いという事もあって視点が日本人より外国人的で、それがまた面白さを引き立てている様に思います。
(けどこの作品、現地の人が観たらどう思うのだろうか?)
日本の風呂を形容する台詞の数々や、外国人の日本滞在あるあるの代名詞である温水便座使用時のリアクション(白目むいて完全に昇天してたww)など、何度笑わされた事か。
阿部ちゃんの股間が『トリック』のモザイクなんかとは違う鉄壁のガードで隠されるのもまた可笑しい。
ガッチリした肉体と濡れ場(笑)を惜しげもなく披露した体当たりの演技は主演男優賞を受賞したのも納得の出来栄え。
タイムスリップシーンの特撮がトイレ?に人形投げ込んで流すだけという手抜き具合がまた笑いを誘う。
後半はやや失速するものの意外にも史実を織り交ぜたシリアス展開で風呂がローマの危機を救う謎の感動が待ち受けます。
阿部ちゃん演じるルシウスと上戸彩演じる漫画家志望のヒロインとのロマンスやら、勤勉な平たい顔族(笑)と古代ローマ人の交流などなど、原作の力もありますが実写でやったからこそより一層魅力が引き立てられた部分もあり「実写化作品」の好例と言っても問題ないでしょう。
何やら勢いに乗って続編も制作中らしいのですが、スケール感がアップしたとか、海外にオープンセット組んだとか、そういった部分を売りにしてしまう時点で駄作になりそうな気がしてなりません。
別にこれ単体でも綺麗に纏まってますし蛇足であればやる必要はないと思うのですが…。