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『ボーン・レガシー』(2012年) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: THE BOURNE LEGACY
製作: 2012年 アメリ
時間: 135分
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード 
出演: ジェレミー・レナー(アーロン・クロス)
    エドワード・ノートン(リック・バイヤー)
    レイチェル・ワイズ(マルタ・シェアリング博士)
    ジョーン・アレン(パメラ・ランディ)
    アルバート・フィニーアルバート・ハーシュ博士)
    デヴィッド・ストラザーン(ノア・ヴォーゼン)
    スコット・グレン(エズラ・クレイマー)
    ルイ・オザワ・チャンチェン(-)

あらすじ

ジェイソン・ボーンの存在と共に明るみに出たCIAの極秘プロジェクト「トレッドストーン計画」と「ブラックブライアー作戦」。
世論の厳しい批判に晒された政府は更なる追及を恐れ、その裏で進行していたもう1つの極秘プログラム「アウトカム計画」の抹殺を謀る。
口封じの為、次々と消されて行く関係者。
だが人為的に強化された最強の工作員アーロン・クロスは送り込まれた刺客を退け、同じく命を狙われる研究員マルタ・シェアリングと共に逃走するのだった…。

予告映像

感想

『007』・『ミッションインポッシブル』に続く新たなスパイ像を確立しアクションムービーの流れを変えた『ボーン』シリーズ最新作。
とは言ってもジェイソン・ボーンことマット・デイモンも、『スプレマシー』と『アルティメイタム』でメガホンを取ったポール・グリーングラス監督も降板し似て非なる作品になってしまいました。
 
物語は『アルティメイタム』とほぼ並行して進行。
臭い物に蓋をしようとする国家権力に追われる男女の逃避行という、まぁよくあるパターンです。
 
新主人公に抜擢されたのは言わずと知れた超売れっ子ジェレミー・レナー
最近あっちこっちで顔を見掛けるので映画ファンはやや食傷気味に感じるかも…(汗)。
で、彼の演じるアーロン・クロスですが、正直な所これといって魅力を感じません。
 
ジェイソン・ボーンは自分探しが転じて過去の贖罪をしたり、唯一愛した女性の死を背負って孤独な戦いに身を投じるなどストイックなヒーローとして成立していましたが、アーロン・クロスはバックボーンがとにかく弱く全体的に軽く感じる。
しかも立ちはだかる相手は躊躇なしに殺害するし人間味も欠けていて感情移入し辛い。
 
ストーリーも後付け感ありありで必然性を感じないのも残念でならない。
良くてスピンオフ作品といった所だろう。
一応シリーズ通して脚本を手掛けて来たトニー・ギルロイが監督業と兼任しているのだが、やはりロバート・ラドラムの原作小説がなければこんな物か。
 
アクションシーンに関してはレイチェル・ワイズ演じるヒロインの自宅で繰り広げられる刺客4人との戦いはテンポが良くて大変素晴らしい。
が、肝心要のクライマックスに用意されたチェイスシーンが余りにも"こじんまり"としていて尻すぼみ感が否めません。
観客は『スプレマシー』や『アルティメイタム』を越える物を期待していた訳ですが、それに応えているとは言い難い。
 
プレデターズ』での無口なジャパニーズヤクザが記憶に新しいルイ・オザワ・チャンチェン演じる「最強」と呼ばれる追跡者も、怯えて叫ぶだけでお荷物にしかなっていないヒロインの不意の一撃で「バーン」して失笑。
アーロン・クロス何もしてないやん!!。
 
本国で指示を出す事実上の親玉であるエドワート・ノートンも全く存在感がなくて完全に脇役扱い。
これ別にエドワート・ノートンじゃなくても良いよね?。
 
タイトルなどはシリーズの「新作」を匂わせていますが「亜種」と捉えた方が正しいでしょう。
前評判が良くなくて覚悟していましたが、この出来ならタイトルから「ボーン」は外すべきだったと思います。