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『ジェイソン・ボーン』(2016年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Jason Bourne
時間: 123分
製作: 2016年 アメリ
脚本 ポール・グリーングラス クリストファー・ラウズ
音楽: ジョン・パウエル デビッド・バックリー
    トミー・リー・ジョーンズ(ロバート・デューイ)
    アリシア・ビカンダー(ヘザー・リー)
    バンサン・カッセル(作戦員)
    ジュリア・スタイルズ(ニッキー・パーソンズ
    リズ・アーメッド(アーロン・カルーア
    アトー・エッサンドー(クレイグ・ジェニファーズ)
    スコット・シェパード(エドウィンラッセル)

あらすじ

世間から姿を消して静かに生活していたジェイソン・ボーンのもとに、CIAの元同僚のニッキーが現れる。ニッキーは、CIAが世界を監視・操作するために極秘プログラムを始動させたこと、そしてボーンにまつわる、ある驚きの真実を告げる。これをきっかけにボーンは再び動き始めることとなり、追跡を任されたCIAエージェントのリーは、ボーンを組織に取り込むことを画策するが…。

告映像

感想

ポール・グリーングラス×マット・デイモンが復帰した待望のシリーズ最新作『ジェイソン・ボーン』は評判通り「コレジャナイ感」が凄まじい残念作だった。
『スプレマシー』『アルティメイタム』とは似て非なる映画になってしまい、新章であるが故にスタイルを変化させたのかもしれないが完全に裏目に出ている。

レガシーを除く前3部作は様々な要素が有機的に機能し、アクション映画の新機軸を打ち立てた傑作だったが、本作は各要素がバラバラで出来の悪いC級映画を観ているよう。

前シリーズとの貴重な繋がりをスプレマシーの時のマリーよろしく呆気なく退場させた割にボーンに何らかの影響を与える事もなく物語は進み、当のボーンもマリーと交わした不殺の誓いを破り復讐に走るもんだから開いた口が塞がらない。
やたらとハイテク機器に頼る描写も拍子抜けで、以前の様な身一つで監視網や追跡を出し抜く爽快感を期待すると本当にガッカリさせられる。
(そもそもボーンってこんな機械に強かったっけ?)

肝心のアクションもアルティメイタムのデッシュとの追走から縺れ込むアパートでの格闘シーンには遠く及ばず、恒例となったカーチェイスも装甲車とスーパーカーが大暴れして絵面は完全に『ワイルドスピード』。
ボーンシリーズは地味な事を斬新な手法で描くのが魅力だったのに、派手な事をやって二番煎じでは何も面白くない。

さらに言えばヴァンサン・カッセル演じる今回の刺客も標的以外の民間人・警官・果ては同僚までバンバン殺しまくるただのサイコパスで、プロらしさが微塵も感じられないのは如何なものか?。
黒幕のトミー・リー・ジョーンズにしたって横暴で態度のデカいだけの嫌味なオッサンでしかなく、お偉いさんが「パメラ・ランディより若くて可愛い子を!!」と言ったかどうか分からないが売れっ子のアリシア・ヴィキャンデルが参加するも最後までキャラの立ち位置がよく分からず釈然としなかった。

よくよく調べると監督こそ同じだか脚本家や撮影監督、スタントコーディネーターなど大部分が入れ替わっており、この結果を見るにあの功績は監督1人の実力ではなく彼らの才能有ってこそだったと言わざるを得ない。
これならまだ『ボーン・レガシー』の方がそれらしい要素が多く地続きの世界として納得する事が出来ましたよ…。