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『ダブルフェイス-偽装警察編-』を観る。

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新世代香港ノワールの傑作と名高いアンドリュー・ラウ&アラン・マック監督の『インファナル・アフェア』を、海猿シリーズで名を馳せた羽住英一郎監督がリメイクした『ダブルフェイス』の後半戦です。
 
昨年10月に地上波で前編だけ放送
「続きはWOWOWに加入して観てね❤」
となった後編が各局手抜き編成でお茶を濁す正月のどさくさに紛れて地上波ON AIR
 
相変わらず西島秀俊さんはトニー・レオンそっくりで、これでアンディ・ラウのポジションが香川照之さんでなく渡部篤郎さんだったら完璧でした。
いや別に香川照之さんの演技力がどうという話ではなく、私の中で日本のアンディ・ラウ渡部篤郎さんという確固たるイメージがあったもんでね…。
 
前編は終盤だけチラッと観たのですが、豪華な配役と映画顔負けの映像クオリティに反し、
"原作を何の捻りもなくリメイクしたプライドの欠片もない作り"
に愕然としたもんです。
 
だって印象的なシーンは展開から台詞、果ては役者やカメラの位置関係に至るまでマンガだったら「トレス疑惑」が持ち上がっても仕方ないくらい"まんま"なんですもん。
いや確かにリメイクだけど、そこはちゃんと知恵絞って自分流にアレンジするのがプロじゃないの?。
マーティン・スコセッシが嫌々撮った『ディパーテッド』なんかはジャック・ニコルソンが目立ち過ぎな上、ラストで唐突にマーク・ウォールバーグが掃除屋に転身してアレだったけど、それはそれできちんとアメリカナイズされていた訳で、ホント「日本のスタッフにはプライドがないのか?」と思ってしまう。
 
そもそもヤクザに捜査官を潜入させるという根底の部分からしてしっくりこない。
裏で癒着してんだから、そんな事しなくたって別に問題ないじゃんね。
しかも白昼堂々銃撃戦やったり、警視生リンチして殺したり、福岡だってここまで酷くないよ?。
それで舞台が横浜とか国際テロリストがやって来てミサイルぶっ放す『あぶない刑事』もビックリ。
監督は『ワイルド7』と勘違いしているのではないか?。
だったらチャイニーズマフィアでも相手にした方がまだ説得力あったと思うんだけど原作が香港映画だから、それは流石に無理だよね…(苦笑)。
 
んで肝心の後編ですが、そういった残念な部分はそのままに警視生が殺された所から先のインファナル・アフェア終盤戦にほんの少し無間序曲をミックスした形で展開。
予想通り終極無間は割愛されていました。
 
それにしても潜入と気付く癖や確信を持つ封筒に書かれた「用心棒」の文字。
更に屋上でのやりとりから、エレベーター前での衝撃の決着に至るまで相変わらずの丸写しで、
こんなのは「リメイク」でもなんでもなく単なる「コピー」です。
原作知らん人はそれなりに楽しめたでしょうが、原作が大好きな者としてはそれ以外の感想が浮んで来ません。
 
流石に結末"だけ"はアレンジを加えていましたがそれも微妙だし、これほどまでに
「脚本家仕事しろよ!!」
と感じた作品も久しぶりでした。
(それ以外の部分は凄く頑張ってるのにねぇ…)
 
なんか口直しも含め今無性にオリジナル版を観直したい気分です。
早くBlu-ray化してくれないかしら?。
つうか、これだけ気合入れて作っておいて『ダブルフェイス』はDVDしか出さんのかいっ!!。