テレビドラマらしからぬスケール感が話題となり本年度の国際エミー賞にもノミネートされている本作ですが、確かに都内でのテロ描写やカーアクションなどは映画顔負けで、クレーマーが騒いだ喫煙シーンや子供が親を刺し殺す倫理的に問題になりそうな場面なども誤魔化す事なく盛り込んだスタッフのチャレンジ精神は称賛に値します。
アイドルなんかが入り込む余地のない実力派揃いのキャスティングも大人な雰囲気を醸し出しているのですが、西島秀俊×香川照之コンビに関しては既視感が強く、もうちょい違う配役にして欲しかったというのが率直な感想。
さらにハードボイルドな作風の中で殺し屋の新谷宏美とイカレタ東和夫のマンガチックなキャラクターは浮きまくっており、特に宏美は突き落とされオブジェに「百舌の早贄」よろしく突き刺さったにも関わらず自力で脱出し殺しにくるとか完全にターミネーターだし、随所で繰り出される女装も完全にヒース・ジョーカーのコスプレで笑わせに来ているとしか思えません。
死んだはずの兄・新谷和彦もカムバックしたと思ったら驚異の身体能力で復讐を実行して行ったりと、この兄弟はBIGBOSSのクローンか何かなのでしょうか?(苦笑)。
爆弾テロで最愛の妻を喪った主人公がその真相を探る内、隠蔽された真実に辿り着くという展開は在り来たりですが、国民監視システムや公安の秘密作戦。
果てはロシアとの密約や工作員の暗躍など、ポリティカルサスペンスとしてなかなか見応えがありました。
物語は来月公開の劇場版で完結との事ですが、CMなどで事件の鍵を握る黒幕「ダルマ」の姿が垂れ流し状態なのは正直どうかと思う。