あらすじ
戦乱の世界。長大な剣を自在に操る屈強な剣士ガッツは最強と謳われる傭兵集団「鷹の団」を率いるグリフィスに見初められ仲間になるよう進められる。
一対一の勝負に敗北しその誘いに渋々応じるガッツだったが数々の激戦をくぐり抜ける内「鷹の団」の兵士たちと絆を深め、やがて彼等はミッドランド王国の正規軍にまで上り詰めていく。
国王の信頼と貴族階級を得るまでに成長したグリフィスと、かけがえのない友を得たガッツ。
だが、そんな2人の関係に暗い影を落とすある事件が発生する…。
予告映像
感想
三浦建太郎さんによる世界的な人気を誇るダークファンタジーコミック『ベルセルク』。
既に20年以上連載が続いている壮大な物語の中から始まりの章と言える「黄金時代篇」を1997年に放送されたTVシリーズからスタッフ・キャストを一新しワーナー・ブラザース×STUDIO4℃のタッグによって三部作の劇場作品として再アニメ化。
既に20年以上連載が続いている壮大な物語の中から始まりの章と言える「黄金時代篇」を1997年に放送されたTVシリーズからスタッフ・キャストを一新しワーナー・ブラザース×STUDIO4℃のタッグによって三部作の劇場作品として再アニメ化。
ダークファンタジーと銘打っている本作ですが、この「覇王の卵」においてはファンタジー要素はそれほど強くなく、むしろ戦乱の世で育まれる傭兵達の友情や貴族の地位争いといった中世を舞台にした歴史物としての側面が色濃く出ています。
正直この時点で「ダークファンタジーの傑作」とか言って売り出すと一見さんを誤解させてしまう様な気がする。
あと作品の性質上、肉体欠損などもリアルに描写されいるので『ロード・オブ・ザ・リング』感覚で観ると痛い目みますので要注意。
冒頭から城攻めや大軍勢による合戦など、考証を重ね描写した事が窺える緻密かつスケールの大きなアクションシーンが続くのですが、キャラクターの多くをCGモデルによって処理してしまった事によって「ゲームっぽい」と感じる場面が多々ありました。
『ヱヴァ新劇場版:破』や『いばらの王』を観た時も思いましたが、こういった処理を引き絵のモブキャラに使うのなら構いませんが、対象が画面一杯に寄るシーンでは極力手描きで処理して欲しいと強く思う。
特に本作はバストアップ位にまで近付かないと手描きにならず違和感が半端無い。
薄暗い劇場スクリーンだから幾分誤魔化せていますが、もしBDで観たらより強い違和感を感じるでしょう。
腕の良いアニメーターが不足している昨今、時間を掛けずクオリティの高い映像を仕上げる為には仕方のない事だとは思いますが、せっかくの劇場作品なのだからそういった部分は惜しみなくやって頂きたいものです。
さて本作の主人公ガッツ役にはプロの声優さんではなく俳優の岩永洋昭くんが抜擢され、その事で当初否定的な意見が多く上がっていたのですが、蓋を開けてみれば無骨な感じが逆にガッツというキャラクターにマッチしていたと私は思います。
櫻井くんのグリフィスに関してはちょっとあざといかなとも思いましたが、森川さんじゃ大人過ぎるし落とし所としては妥当だったのかな?。
キャスカを始めとする「鷹の団」の面々も概ね違和感なく観れました。
前半こそ「ゲーム臭いな」と思って観ていましたが、ドラマパートがメインになる後半はほぼ手描きで物語に集中する事が出来たので良かったです。
友情を深めていたガッツとグリフィスの間にいい感じの不協和音が響き始め「どうなっちゃうの?」って所で映画は終了。
序章という事もありカタルシスと呼べる物もなく「次回につづく!!」的な終わり方で消化不良を起こす人も居るかもしれませんが、派手なアクションは第二弾「ドルドレイ攻略」に期待するとしましょう。
三部作なので評価し辛いですが次回への期待を込めて二つ星とさせて頂きました。
にしても年内公開とアナウンスさけている第三弾「降臨」って当然だけど「触」やるんだよね。
冗談抜きに『エヴァ旧劇場版』に匹敵する終末感と『BLOOD-C』を越えるグロ描写になるけど大丈夫か?。
インタビューで監督は「手加減しないで、本気でやる」と言ってるんで真面目に「R-18」になるか、上映版は規制して『マルドゥックスクランブル』みたいにBDで開放とかしか無い気がする。
インタビューで監督は「手加減しないで、本気でやる」と言ってるんで真面目に「R-18」になるか、上映版は規制して『マルドゥックスクランブル』みたいにBDで開放とかしか無い気がする。
はてさてどうなる事やら…。