マイケル・マン監督作品 『パブリック･エネミーズ』 -★★★★☆-

スタッフ&キャスト

原題： PUBLIC ENEMIES

製作： 2009年 アメリカ

時間： 141分

原作： ブライアン・バーロウ

監督： マイケル・マン  
脚本： ロナン・ベネット 、アン・ビダーマン 、マイケル・マン 
音楽： エリオット・ゴールデンサール 
出演： ジョニー・デップ（ジョン・デリンジャー）
　     クリスチャン・ベイル（メルヴィン・パーヴィス）
  　　 マリオン・コティヤール（ビリー・フレシェット）
  　   ビリー・クラダップ（Ｊ・エドガー・フーバー）
  　　 スティーヴン・ドーフ（ホーマー・ヴァン・メーター）
　　　 スティーヴン・ラング（チャールズ・ウィンステッド）
　　　 ジェームズ・ルッソ（－）
　　　 デヴィッド・ウェンハム（－）
 　　　クリスチャン・ストールティ（－）
 　　　スティーヴン・グレアム（－）
 　　　チャニング・テイタム（－）
 　　　ジェイソン・クラーク（－）
 　　　ジョヴァンニ・リビシ（－）
 　　　ビル・キャンプ（－）
 　　　スペンサー・ギャレット（－）
 　　　ピーター・ゲレッティ（－）
 　　　ブランカ・カティッチ（－）
 　　　リーリー・ソビエスキー（－）
 　　　ロリー・コクレイン（－）
 　　　ジョン・キッシュライン（－）
　　　 キャリー・マリガン（－）
 　　　リリ・テイラー（－）
 　　　ジョン・オーティス（－）
 　　　ドン・フライ（－）
 　　　マット・クレイヴン（－）

あらすじ

人々が大恐慌に喘ぐ1933年アメリカ。

銀行強盗を生業とするジョン・デリンジャーは現場に居合わせた一般客からは一銭の金も奪わない犯行スタイルと紳士的な立ち振る舞いによってマスコミを始めとする多くの国民から圧倒的な支持を受けていた。

 

警察組織。そして創設されたばかりのFBIを出し抜き犯行を重ね続けるデリンジャーとその一味。

彼の逮捕に威信を掛けていた当時のFBI長官エドガー・フーバーは遂にデリンジャーを「社会の敵(パブリック・エネミー)ナンバーワン」に指名し、懸賞金を掛けた大々的な捜査に踏み切るのだが…。

予告映像

感想

熱い男のドラマとリアルな銃撃戦を描かせたらハリウッド１（だと私は勝手に思っている）のマイケル・マン監督最新作は伝説のアウトロージョン・デリンジャーが「社会の敵ナンバーワン」と呼ばれるに至るまでの過程からFBI捜査官によって射殺される最期までにスポットを当てて描きます。

 

主演は『パイレーツ～』で名実ともにハリウッドのトップスターとなったものの、それまでは商業主義の作品への出演を断り続けていたアンチハリウッドの代名詞ジョニー･デップ。

共演は『マシニスト』で体重を30キロまで落し骨と皮になったと思ったら、『バットマン ビギンズ』の為に僅か６ヶ月で86キロのムキムキボディに変身した役者魂の塊クリスチャン・ベイルです。

 

予告映像などはジョニー・デップ目当ての女性客を釣るべくラブストーリー風の作りになっていますが、なんのこっちゃありません、実際は恋愛描写なんてオマケ程度で女っけなんて殆ど無い熱い男の映画です。

もうね、こんなんならコリン・ファレルとコン・リーがちちくりあってた『マイアミ・バイス』の方がよっぽどラブストーリーしてましたよ（笑）。

 

史実とあって大筋の部分はウィキペディアでも見れば一発で解りますし、フィクションではない以上（まぁ多少は脚色しているのでしょうが）ストーリーを評価するのは野暮ってもんでしょう。

（言ってしまえば大がかりな再現VTRですからね）

 

本作は実力派キャストによる演技合戦という部分だけで十分にお腹一杯で、みんな渋くて格好良いので本当に困ります（笑）。

特に若手ばかりで頼りない創設直後のFBIに助っ人としてやってくるベテラン捜査官ウィンステッドが半端なく格好良い!!(何気にドン・フライを従えてたりするしww)。

素早い身のこなし。華麗なショットガン捌き。そしてメッセンジャーになるラストシーン。どれを取ってもパーフェクト!!。

このウィンステッドを演じているのはスティーヴン・ラングという役者さんで、最近だと『アバター』で大佐を演じていた人と同一人物である。

大佐は絵に描いたような悪いおっちゃんでしたが、ウィンステッドは確りと筋を通す武士って感じで最高に格好良い!!。

冗談抜きにジョニー・デップやクリスチャン・ベイルの存在が霞んでしまってました。

 

セットや小物などの描写も秀逸で、この21世紀に「どうやって撮ったんだろう?」と思ってしまう程の作り込み。

(勿論CG臭くなんてない)

そして何と言っても迫力の銃撃戦!!。

ここまでトンプソンを乱射したのは近年では『プライベート・ライアン』以来ではないだろうか?。

マイケル・マン監督らしい腹に響く生音の銃声とリアルな弾痕は鳥肌物!!。

好きな人はこれだけで満足出来る筈だ(笑)。

 

画面の構成も異常に決まっていて、ジョニー・トー監督ばりに絵になるシーンの連続。

男が数人立っている、それだけで格好良いと感じてしまう。

予告などで使われている「Ten Million Slaves」という曲が劇中流れてくるとそれだけで痺れてしまう!!。

ここまでで何度「格好良い」と言ったか解りませんが、ホントそんな映画です。

巷での評判はあまり良くないみたいですが、私的にはかなりツボに嵌りました♪