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『ブラックハット』(2015年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Blackhat
製作: 2015年 アメリ
時間: 133分
脚本 モーガンデイビス・フォール マイケル・マン
音楽: ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ アティカス・ロス レオ・ロス
出演: クリス・ヘムズワース(ニコラス・ハサウェイ)
    ワン・リーホン(チェン・ダーワイ)
    タン・ウェイ(チェン・リエン)
    ビオラデイビス(キャロル・バレット)
    ホルト・マッキャラニー(マーク・ジェサップ)
    アンディ・オン(レックス・トラン)
    リッチー・コスター(エリアス・カサール)
    クリスチャン・ボール(ジェフ・ロビショー)
    ジョン・オーティス(ヘンリー・ポラック)
    ヨリック・バン・バーヘニンゲン(サダク)

あらすじ

 
何者かのネットワーク攻撃を受けた香港の原子力発電所で水蒸気爆発が発生、シカゴの金融市場では大豆価格が操作され大混乱に陥る。
事態を重く見た米中両国は事件解決のため共同捜査チームを発足、侵入に用いられたプログラムの作成者で収監中の天才ハッカーハサウェイに協力を要請する。
犯人が残した僅かな痕跡を頼りにシカゴから香港に飛ぶハサウェイたちだったが、そこで事態は思わぬ方向へ展開していく…。

予告映像

感想

漢の映画教習所マイケル・マン(木曜洋画劇場風)と、俺様雷神クリス・ヘムズワースがタッグを組んだサスペンス・スリラー『ブラックハット』を観る。

宇宙空間から電子回路へとフォーカスしていく斬新なファーストカットと、日本人には思うところが多すぎる原発の水蒸気爆発という衝撃の展開で幕を開ける本作。
台詞の上では米中両国の確執を匂わせていますが思いのほかトントン拍子に合同捜査が許可され拍子抜け。
マイケル・マンがプロデュースした『キングダム 見えざる敵』のようなお国柄の違いみたいな描写を期待すると肩透かしを喰らいます。
自由に行動する捜査官もそうですが完全武装の犯人グループなど、こんな好き勝手やってたらすぐ秘密警察に捕まりそうなものだが…(汗)。

ケンカが強く銃も撃てるクリス・ヘムズワース演じるハサウェイは世間一般のハッカーのイメージとは程遠いものの現実のハッカーは意外にこういうタイプが多いそうな。
この辺りリアル志向のマイケル・マンらしい拘りなのだが、何も知らない観客がそれで納得するかは別の話。
ハッキングなどのシーンにしても偽のパスワード変更画面に誘導してコードを盗み取るなど、ぶっちゃけ地味で目新しさはない。

マン印の銃撃戦に関しては腹に響く発砲音や、生々しい対人地雷(クレイモア)の描写など相変わらずのリアリティなのだが、全体としては思ったほど盛り上がらず、夜の香港で繰り広げられる一戦はどういう訳か武装集団の射線上にのこのこ乗り付け的になる謎行動であっさり終了。
でもホルト・マッキャラニー演じる捜査官の両手で確りと銃を構え・狙いを定め・撃つ動作は渋格好良かった。

正体不明の犯人を追うストーリーや、白人のナイスガイとアジアンビューティーの身分違いの恋などは『マイアミ・バイス』の焼き増しでしかなく、百戦錬磨の傭兵の最期や黒幕のしょぼさなどカタルシスも無きに等しい。
米国で大コケしたのも納得せざるを得ないのだが、今回は主人公が黒幕にキッチリ借りを返してくれたので個人的にはスッキリ観れました。