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『東のエデン 劇場版 Ⅱ Paradise Lost』 ★★☆☆☆ (ネタバレ含む)

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製作 2010年 日本
時間 102分 
監督 神山健治 
原作 神山健治 
脚本 神山健治 
音楽 川井憲次 
声の出演
   木村良平(滝沢朗)
   早見沙織(森美咲)
   江口拓也(大杉智)
   川原元幸(平澤一臣)
   齋藤彩夏(みっちょん)
   斉藤貴美子(おネエ)
   田谷隼(春日晴男)
   松谷彼哉(朝子)
   岩尾万太郎(良介)
   小川真司(火浦元)
   五十嵐麗(白鳥・D・黒羽)
   宮内敦士(物部大樹)
   檜山修之(板津豊)
   森田成一(結城亮)
   遊佐浩二(辻仁太郎)

あらすじ

迂闊な月曜日を仕組んだテロリスト「AIR KING」が総理大臣の息子ではないか?と言う疑惑に世間の注目が集まる中、飯沼誠次朗の私生児として帰国する「滝沢朗」。
持ち前の行動力でマスコミや政府関係者を出し抜き、森美咲を始めとする「東のエデン」メンバーと共に最後の戦いに挑む。
果たして滝沢が見い出した「この国を正しき方向へ導く」為の答えとは…。

予告映像


感想

TVシリーズの放送がスタートしてから約一年。
滝沢朗と森美咲が共に過ごした11日間の物語が遂に完結しました。

しかし色々な新事実&謎のオンパレードで一見しただけでは何が何やら解らなかったと言うのが正直な感想です。
上手く纏める事も出来ず取り留めも無く書き出してみたらこうなりました。↓
・やわらかノブレス携帯に襲われる滝沢。
滝沢はコレでTVシリーズの記憶を取り戻したのか?。
しかし予告編の絶叫ってココかよ!!。

・NO.2の策略で「AIR KING」Tシャツを着る滝沢。
Yシャツの上に重ね着する滝沢のセンスが…(苦笑)
背中の「OUTSIDE もっと撃って来いよ」に場内爆笑。

・豆柴の飼い主が滝沢母という驚きの展開。
TV版の回想シーンは意味深だったけど、まさか母親だったとは…。
というか豆柴はただのマスコットじゃなかったんだ(笑)。

・大杉の見せた男らしい姿。
咲を逃がす為に体を張った大杉。
ヘタレの汚名返上ですな!!(爆)。

・滝沢母が息子に似て曲者だった事。
この人の真意が解らないが悪い人では無さそう…。
どうして滝沢を捨てたのだろうか?。
そして滝沢の本当の父親は一体誰?。

・亜東シスターズの可愛さに萌え。
TV版10話に登場した「JUIZ?」が実は亜東才蔵の孫娘4姉妹というオチ。
勿論、担当しているのは七色の声を持つ玉川紗己子さん。
演じ分けが凄過ぎます(汗)。  
それにして羽海美キャラって年上だと、どうしてこうエロイんだろうか(苦笑)。

・JUIZ無しで滝沢暗殺を根回しする辻。
最終的に物部さんに密告され国税局に踏み込まれてしまいましたが、ツージーの本職は一体何だったのか気になります。
TV版で「俺は100億なんて金持ってるし」と言ってたけど、やっぱ株取引とかなのかな?。

・ますます臭くなっていく結城くん。
堕ちる所まで堕ちた様です(苦笑)。
渡されたパスポートの国籍がシアク共和国で『攻殻S.A.C』の世界とクロスオーバーしてます。
細かいよ!!(笑)。

・NO.12が亜東才蔵=Mr.OUTSIDE。
この事に関しては物部さんが指摘してたので其処まで意外じゃないですね。
タクシーの運ちゃんである事も、TV版から伏線(第4話の回想と11話で咲とみっちょんを送り届けたシーンなど)が張ってあったので「やっぱりか!!」といった感じ。
しかし滝沢の選定理由がやはりと言うか何と言うかユニークだった事に納得しました。

・リアリスト物部大樹VSロマンチスト滝沢朗。
やっぱ物部さんはノブレス携帯なくてもOKなんですね…。
滝沢のユルさと、堅物である物部さんの対比が実に面白かったです。
何気にここが本作のハイライトシーンだったのではないでしょうか?。

・回想の滝沢(小)の可愛さが異常。
ほっぺプニプニ滝沢(小)は腐女子なら発狂物でしょう(爆)。
しかし、ここで何故飯沼誠次朗が迎えに来たのだろうか?。

・日本国民全員に要求を突き付け1円ずつ電子マネーを送信する滝沢。
労働力としての若者を人質に取り、上がりを決め込んだ大人に変化を促す滝沢。
これは「今時の若者は」と常套句を並べる大人と「大人はダメだ」と卑下する若者、敵視し合う両者が理解し合えばあながちこの国も捨てたもんじゃないぜ。という滝沢が出しか答えだったのだろうか?。

・亜東さんからゲーム終了のお知らせ。
贈り物が記憶のリセットとか怖すぎる(汗)。
「今回は…」という口振りから、前回or次回があるという事だろうか?。
個人的にここで一番心配なのは黒羽さんの今後。
せっかく滝沢と出会って守護天使になれたと言うのに、その記憶消されたらジョニー狩りに戻っちゃうんじゃないの?。

・記憶のリセットを免れた滝沢。
亜東才蔵の施した仕掛けが既に記憶を消した事があった滝沢には効力が無かったようです。
また振り出しに戻るかと思いヒヤヒヤしましたよ。

・亜東才蔵(100才)にあしらわれる平澤一臣(22才)。
平澤くんどんだけ弱いんでしょう(苦笑)。
それとも亜東才蔵が元気過ぎるのか?。

・因果応報としか言えない物部さんと結城くんの相討ち。
方や撃たれて、方や撥ねられるという見事な散り方…。
ちょいと惨め過ぎやしませんか?(苦笑)。
にしても「僕を散々利用して…」みたいな台詞に思わず反応してしまったのは私だけだうか?(笑)。

・初めての咲からのキス。
最初は何事にも受け身だった彼女の変化がよく出たシーンでした。
走り去る滝沢を追いかけて唇を奪っちゃうんだから凄い進歩!!。
「1つだけどうしてもやらなければならない事がある」と告げ咲の前から消える滝沢。
それって「Mr.OUTSIDEをぶん殴る」事だったのかな?。
だとすれば案外早く咲の元に戻って来そうだけど、滝沢は世間一般ではテロリストだからなぁ…。

・JUIZのトレーラーと共に疾走する亜東シスターズ。
彼女たちはゲームが終わったと言うのにJUIZを何処へ移送するのだろうか?。
やはり次がある?。

・宣言通りMr.OUTSIDEをぶん殴る滝沢。
相手が100才だろうが容赦なし(笑)。
しかもこれから亜東才蔵を巻込んで何かやらかすつもりらしい…。
やっぱこの男は根無し草なんだと改めて実感しました。
彼には記憶とか過去とか関係ないんでしょうね。
…激しくネタバレですみません(苦笑)。

誤解を恐れずに言えば、この劇場版はカタルシスを感じたりスカッ!!とする物ではありませんでした。
完結編と言っても謎な部分は残ってますし、TVシリーズの最終回みたいに派手なドンパチや全ての謎に対する答えを期待していた人の多くは不満を抱いたと思います。
無責任ですが私自身も、もっと滝沢らしい突飛で意外な答えがあったのでは?とも思ってしまいます(まぁ全日本国民を脅すのも十分に突飛なのですが)。

しかしパンフレットのインタビューなどを読んでいたら「これが最良の形だったのかな」とも思いました。
綺麗さっぱり幕を引くのではなく「滝沢朗という男がまた何か仕出かしてくれる!!」「この物語はまだ続いて行く」そんな余韻を残した終わり方は、捉え方によっては味わい深いラストではないかと…。

謎のままである滝沢朗の素性に関しても、逆境にめげないメンタルの強さと人を引き付ける魅力を有した曲者の母を持ち特異な環境で育った変な奴。
それ位で良いんじゃないかな?。
多分それが彼の魅力だろうし。

これにて『東のエデン』は完結してしまいますが、映像で描かれた部分以外にもこの世界はまだ広がっています。
事実、滝沢は亜東才蔵を捕まえてまた何か仕出かそうとする訳ですし、スタッフロール後にノブレス携帯が再起動します。
残された謎や語られ無かった部分は小説版やオーディオドラマなどで補完されるそうなので、私は当分この作品にハマり続けるでしょう。
続編を期待するのは野暮という物ですが、せめてDVD&Blu-ray化の際にドラマCDという形で彼等のアフターストーリーを作って頂きたいな~と思います。