旧いまここにあるもの

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Blu-ray『東のエデン』VOL.1

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東のエデンは停滞した日本の現状を打開すべくある人物によって仕組まれた12人のセレソンと呼ばれる人間達による革命ゲームを軸に、主人公・滝沢朗とヒロイン・森美咲の視点から描く11日間の物語。

攻殻S.A.C』プロダクションI.G×神山健治監督+ハチクロ羽海野チカ先生による異色のコラボレーションは驚きの化学反応を起こしています。
コメディ・ラブストーリー・サスペンス・アクション・スパイ映画・政治映画・青春映画、全ての要素が詰まった贅沢なストーリーはとても魅力的で楽しめます。

今回リリースされたBlu-ray版には映像が「HDワイドスクリーン16.9 1920×1080p」
そして音声が「ドルビーTrueHD5.1ch」+「リニアPCM2.0ch」で収録(簡単に言うと劇場大作並のもの凄いハイスペック仕様って事)。
言うに及ばずTV放送以上に美しい絵と深みのある音で東のエデンを本当の意味で楽しめます。

映像特典にはノンテロップのOP&ED。そして神山監督のインタビューも収録。
封入特典にはオーディオドラマの収録されたCDと、書き下ろし小説や出演者による座談会が納められたブックレットも付いていてかなり楽しめる。
他メーカーのBlu-rayアニメが7000円近くするのに対し、これだけ充実した東のエデンが定価6300円という価格設定な事にも驚きます(数年前はDVDでも2話収録で7140円もしたというのに…)。
作品のクオリティを考えても「もうちょい高くても良かったのでは?」と思ってしまいました(笑)。

第1話 王子様を拾ったよ

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脚本:伊藤ちひろ/神山健治 絵コンテ:神山健治/吉原正行 作画監督近藤圭一 美術監督:竹田悠介
卒業旅行でアメリカを訪れていた森美咲は立ち寄ったホワイトハウスで「おまじない」をし警官とトラブルを起こしてしまう。
其処に突然現れた左手に携帯・右手に拳銃を持った全裸の男・滝沢明。
結果として彼に窮地を救われた咲は全裸の滝沢に自分のマフラーと上着をお礼にと差し出す。
だが、滝沢と別れた後に上着のポケットにパスポートを入れたままだった事に気付いた咲は慌てて滝沢の後を追い掛ける…。

一方、自分に関する記憶一切を失っていた滝沢は唯一の所持品である携帯に送られてきた住所に向かい、辿り着いたマンションの一室で大量の武器と複数のパスポートを発見する。
自分は一体何者かのな?。もしやテロリストではないのか?。
疑問だらけの滝沢の下に後を追い掛けてきた咲が現れる…。
改めて観直すとアバンタイトルで携帯電話の画像を閲覧する咲はどの時点の咲だったのか。
滝沢との2ショットがある事から2話以降だと思われるが、口振りからは11話以降、劇場版未満というのが一番シックリする。

衝撃的だった全裸の主人公(笑)。
11話でもそうでしたがノブレス携帯から聴こえた電子音が記憶を消去するカギなのですが、初見で観た時はなんとなくしか解りませんだした(汗)。

記憶なし。所持品は銃と携帯。しかも眼前にはホワイトハウスと警官。
パニック必至のこんな状況にもサラっと順応してしまう滝沢の特性がここで描写されている訳ですが、女の子にフルチンで近づくのは如何な物か?(笑)。

このシーンで物部さんもちゃっかり登場し「№9は想像していた以上にユニークな男だな。だがここで終わりだ」と滝沢の感想を述べます。
単に後を付けていただけとも思えず、かといって記憶を消す前の滝沢と繋がりがあるとも思えないのだが…。

咲から貰った上着とマフラーだけを身に着けワシントンの街に消える滝沢。
この格好は全裸よりも変態じみていると感じるのは私だけだろうか?(笑)。
道中ビジネスマンにズボンを貰いますが、これは神山監督曰くそういった小さな奇跡を起こせてしまう滝沢という人物のキュラクター性を表す演出だったそうです。

滝沢の自宅と思われるマンションの一室に置かれた大量の銃器。
そして同じ写真なのに名義が違う多数のパスポート。
滝沢は自分の境遇を『タクシードライバー』のロバート・デ・ニーロに例えて自嘲し、大量のパスポートを前に「デ・ニ―ロじゃなくてジェイソン・ボーン?」とぼやきます。
ここで映画好きというキャラクター性がまた1つ加わり滝沢がどんどん魅力的になっていきます。
ただ同じ映画好きとして、このシーンではシャイア・ラブーフ主演の『イーグル・アイ』の冒頭シーンを思い出してしまいました(笑)。

ひらりひらりと窮地を掻い潜る滝沢。
最初にも書きましたが彼の順応能力は半端じゃない!!。
女性警官を前に怯む事無く自慢?のジョニーを見せ付けて無罪放免とか、行動は無茶苦茶なんですが滝沢だと何故か許せてしまい、同時に説得力も生まれるから本当に不思議です。

第2話 憂鬱な月曜日

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脚本:神山健治/福島直浩 絵コンテ・演出:河野利幸 作画監督:永島明子 美術監督:竹田悠介
ワシントンで再会を果たした滝沢明と森美咲。
成り行きで共に帰国する事になるのだが、時を同じくして東京には謎のミサイルが着弾していた。
事件の影響で大混乱に陥る空港ロビーを抜け、記憶を失った滝沢の自宅を探すべく一路豊洲へと向かうのだが…。
大杉の着信履歴が多過ぎ!!。
家族よりも多いとか普通に引くわ~(苦笑)

空港に着いた滝沢にジュイスからセレソンシステムの有効圏内に入りました」と報告が入りますが、海外ではノブレス携帯のどの機能がどの程度制限されるのだろうか?。
後々明らかになるドバイに送られた二万人のニートへの食糧支援は受理されているので海外での事象に干渉する事も可能の様ですが、その辺りのルールが非常に曖昧ですね。

セレソンNo.4近藤が登場。
自堕落な生活を送り100億の電子マネーも底を尽き借金まみれの人生を送る現職の警察官。
しかしどんな使い方したら100億無くなるかね…(汗)。

近藤のジュイスは滝沢の物と違い凄くツンケンした対応でセレソン毎にジュイスの性格まで微妙に違うと言うのも面白い!!。
攻殻S.A.C』タチコマもそうでしたが、声を担当する玉川紗己子さんの演じ分けが本当に素晴らしいです。

ラストでは行き成りバイオレンス描写が出てきてビビりました。
今まではどちらかと言えばコメディ路線だったので、近藤がジュイスに殺人を依頼し実行された時は本当に「えっ!!」と思いましたよ。
と言うか羽海野キャラでコレやるのが凄い(汗)。

この回は伏線の描き方がとにかく上手いです。
近藤が居酒屋でカウンターにライターを置くシーンが後の店主殺害に繋がったり、2ショット写真のやり取りの時にさり気無く滝沢が咲の携帯番号を手首にメモってたりする芸の細かさ。
とにかく無駄な描写が1つも無い、全部で11話しかない東のエデンならではの情報量の多さで関心させられます。