100億円の電子マネーがチャージされた魔法の携帯と共に「日本を正しき方向へ導く」という義務を課せられた12人のセレソンと呼ばれる人々の戦いを描いたアニメ『東のエデン』の完結編「劇場版Ⅱ Paradise Lost」のBlu-rayがAmazonから届きました。
とても感慨深いです…。
パッケージ内容は予告映像が特典として収録された本編ディスク。
そして「劇場版Ⅱ Paradise Lost」本編映像にARコメンタリーを収録した特典ディスク(DVD)と、本編未登場のセレソンNo.7・篁カオルの活動を描くドラマCDが付属。
ブックレットには劇場版の美術集とドラマCD同様No.7の物語が書き下ろし小説として収録されています。
「物作り」をせず国民を騙し続けるこの国から、ノブレス携帯を使い巧みに金を巻き上げる詐欺師のNo.7。
彼もまた滝沢朗という人物に惹かれ影響された1人であり、とても魅力的な人物。
なんで本編に出さなかったのか不思議でしょうがない。
あのビジュアルで声は神谷浩史くんな訳だから絶対女性ファン増えましたよ(笑)。
特典フィルムは亜東才蔵に接触を試みる平澤一臣。
悪くはないぞ。
悪くはないが、やっぱ咲かみっちょんが良かったよ…orz
こちらはAmazon限定特典の収納BOX。
この手の商品だとアウターケース分のスペースが考慮されていない事が多々あるのですが、多少みっちりではありつつも全巻収納する事が出来ました。
作品の締め括りとなる劇場版のクライマックスは、主人公が日本という国を正しき方向へ導く為にテロリストとして国民に「ある要求」を付き付け変化を促すという、間違っても解り易いorカタルシスのある結末とは言えない物になっています。
しかし、アニメ的で現実離れした荒唐無稽な行動ではなく、ましてやミサイル攻撃や国民の自由を奪い内務省を復活させ影から国を操るといった強制的な物でもない、
今の日本人が誰もやりたがらない汚れ仕事を1人で担い人々に自発的な行動を促す事を選んだ主人公の行動はかなり意義深い物だと思います。
もしこの作品がピカレスクロマンだったら間違いなく結城くんや物部さんが主人公だったろう。
しかしこれは「今の日本に漂う空気に戦いを挑んだ男」のリアルなドラマなのだ。
TVシリーズに比べエンターテイメント要素が希薄だったのは少し残念ですが、クライマックスで滝沢が国民に向け要求を行うシーンで2冊の『リア王』を机の上に置いた事や、チャップリンの映画『独裁者』の演説シーンをモチーフとしている点など、キーワードを読み解けば読み解いただけ作品に込められた意味が伝わり物語に深みが増していきます。
私自身、作品に込められた意味を全てを理解した訳ではありませんが今後は関連書籍を含めじっくり観賞し、このスルメ的な作品を堪能し続けていこうと思います。