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『正解するカド』第十二話(最終回) 「⊿Γ≡」

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「ワムを作ってみた」な第六話、
「クリTシャツ」の破壊力が凄まじかった第八話、
ヒロインがヒーローになった第九話、
完全に事後な描写など狙っているとしか思えなかった第十話、
と今期1番サプライズが多かった『正解するカド』も遂に最終回。

個人的に第六話辺りまでの展開が神がかりすぎていて、その後はフィクション然とした感じになってしまい、正直「想像していたのと違う方向に行ってしまったな」というのが見終えた後の率直な感想です。
損得勘定とは無縁の存在かに思われた「異方存在」が結局自分たちの利潤の為に人類を利用する侵略者(正しくは収穫者かな?)で、結局はそれを阻止する為の対決展開になるなど、中盤まではもっとこう斬新な未知との遭遇のアップデートになると思っていたのだが…。

ヤハクィザシュニナも最初は人類を越えた存在として異彩を放っていたのに、徐々に人間臭くなって最後は完全にヤンホモ化するなど、腐女子歓喜だろうけど小者っぽくなってしまい正直ガッカリ。
白髪・赤目・美少年・人外・達観した物言いかつ、ホモで最終的に殺されるって結局は渚カヲルですやん…(;一_一)

隙を生じさせぬ二段構えのザシュニナ・ドッキリ大作戦で、真道と沙羅花さんの娘が「異方存在」を超越した「上位存在」として降臨するんだけど、「ナノミスハイン」という伏線があったとは言え、花森くんだけがあんな老け込んでしまいホント不憫で仕方ない。

種明かしの動画メッセージで「驚いてもらえたか?」という真道の言葉を聞いて激昂するザシュニナ(表情が秀逸)は、愛しの相手が知らぬ間に他の女との間に子供を作って幸せそうにしていてブチ切れるヤンホモストーカーのそれで大爆笑。
こっからの雑魚キャラ臭は半端なく、人類に接触した結果生じた変化なんだけど、前半の神々しさが木っ端微塵に吹っ飛んでしまい、これぞ正真正銘のキャラ崩壊であるww。

今際の際に綺麗なザシュニナに戻って真道の亡骸に「しおり」を手に駆け寄る姿なんかは完全にヒロインなんだけど、それを無表情で消し去るユキカの圧倒的ラスボス感が凄まじく、意図した上での演出なんだろうけど、いろいろと無情すぎて私は完全に置いてきぼりをくらいました。
あの「しおり」だけが消されずに真道の胸元に落ちるといった2人のこれまでの関係を「救済」するような描写が一切盛り込まれなかったのは本当に驚きです。

文字化けしていたサブタイトルがエピローグ前に「ユキカ」と改められ、「異方存在」がもたらした力が全て消えた世界を生きる人々のその後がさらっと描かれて物語は終了。
物理法則すら超越した「ユキカ」はもとより、品輪博士も独自に「異方」の仕組みを解明し旅立ったようですが、冷静に考えると「彼方」という名前やここまでの功績など、沙羅花さんより品輪博士の方がよっぽど異方存在の末裔っぽいですよね(苦笑)。
裏を返せば純度100%の人類でここまでやるってどんだけ天才なんだよ…。

1人地球に残された沙羅花さんが画面からフレームアウトし、意味深なSEが鳴り、折り鶴が傾くラストシーンは、彼女が「情報を越える者」となり死を超越した場所で真道と再会したって解釈で良いのかな?。
前半の展開と同様に知的好奇心をくすぐるラストでしたが、総理のビジュアルが何故小渕さんなのかとか、劇中の世界人口がどうして60億人しかいないのかなど、気になる点が解決されず仕舞いなのはちょっと残念。
強引に考えれば「サンサ」が示唆したように我々とは別の平行世界での出来事だったと取る事もできますが、何はともあれ久し振りにいろいろ語りたくなる作品でした。
セルルックのCGもところどころ手描きにしか見えないカットがあり技術の進歩に脱帽。
ぶっちゃけ、こういう作品こそノイタミナ枠でやって欲しかったなぁ~。