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『エクス・マキナ』(2015年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Ex Machina
時間: 108分
製作: 2015年 イギリス
音楽: ベン・サリスベリー ジェフ・バロウ
出演 ドーナル・グリーソン(ケイレブ)
    アリシア・ヴィカンダル(エイヴァ)
    オスカー・アイザック(ネイサン)
    ソノヤ・ミズノ(キョウコ)

あらすじ

 
世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、滅多に人前に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に滞在するチャンスを得る。しかし、人里離れた別荘を訪ねてみると、そこで待っていたのは女性型ロボットのエヴァだった。ケイレブはそこで、エヴァに搭載されるという人工知能の不可思議な実験に協力することになるが…

予告映像

感想

第88回アカデミー賞で「脚本賞」にノミネートされ『マッドマックス』や『スターウォーズ』を退け「視覚効果賞」に輝いた新鋭アレックス・ガーランド監督のエクス・マキナ』を鑑賞。
「男(人間)と女(AI)の知恵比べ」といったら身も蓋もないのだが、端的に言えばそういう物語である。
 
出演者は実質4人、全編ほぼ室内で展開するなど低予算感は強いものの、必然性があってそうなっているのでチープさは感じない。
むしろ美しく雄大な自然の風景と、人が作り出したモノの対比などが上手く機能しており、金に物を言わせてゴテゴテに飾り付ける品の無い大作映画とは一線を画す知的さが感じられてGood。

登場人物が人と機械の違いについて論じたり、会話の中で偉人の言葉を引用するなど、押井守監督の『イノセンス』に通じる部分が多く、ライトユーザーには聊か難解だろうがサスペンスとして見応えがあるため最後まで退屈する事はない。

翻弄され精神が疲弊していく青年を演じ切ったドーナル・グリーソンや、ロボットという難役を繊細な仕草で表現したアリシア・ヴィカンダルなど、シンプルであるが故に役者の演技力が光っており、とある秘密を抱える美しい世話係役のソノヤ・ミズノと、怪しすぎるヒゲの富豪オスカー・アイザックのキレッキレのダンスも必見!!(笑)。

ちなみに本作は「R-15」指定なのだが、露骨なエログロは無いので苦手な人もご安心を。
主人公が自分の腕をアレするシーンは痛々しいけど、たぶん「R-15」になった原因はアンダーヘアにモザイクが掛かっていないからだろうね。
それも必然性があるから別にエロイとは感じないんだけど…。