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『ドライヴ』(2011年) -★★★★☆-

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スタッフ&キャスト

原題: DRIVE
製作: 2011年 アメリ
時間: 100分
出演: ライアン・ゴズリング(ドライバー)
    キャリー・マリガン(アイリーン)
    ブライアン・クランストン(シャノン)
    クリスティナ・ヘンドリックス(ブランチ)
    ロン・パールマン(ニーノ)
    オスカー・アイザック(スタンダード)
    アルバート・ブルックス(バーニー・ローズ)

あらすじ

天才的なドライブテクを武器に、昼は映画のカースタント、夜は逃がし屋として働くドライバー。
殺伐とした日々を過ごす中、隣の部屋に住むアイリーンと息子のベネシオと知り合い彼の生活にささやかな幸せが訪れる。
やがて服役中だったアイリーンの夫・スタンダードが出所し静かに身を引くのだが、ある夜スタンダードが何者かに襲われている姿を目撃してしまう。
理由を問い質すと刑務所内で作った借金を返済する為に強盗を強要されている事を知る。
アイリーンとベネシオの幸せの為、自ら逃走の手助けを買って出るのだが…。

予告映像

感想

カンヌ国際映画祭 監督賞」を獲得し、多くの映画賞で絶賛されたデンマーク出身の新鋭ニコラス・ウィンディング・レフン監督によるクライム・サスペンス『ドライヴ』
 
筋立ては「孤独に生きて来た男が素敵な女性と出会い彼女の幸せを守る為に全てを擲つ」という王道の破滅型ハードボイルド。
前半はヒューマンドラマと見紛う程にアイリーンやベニシオとの交流が温かいタッチで描かれるのですが、終盤になるにつれ容赦ない暴力描写が飛び出して驚きます。
このふり幅の大きさはさながら北野武映画です。
 
この作品はとにかく主人公を演じるライアン・ゴズリングが格好良い!!。
サソリの刺繍が入ったジャンパーを身に纏い、爪楊枝を咥え、無駄口を叩かず背中で語る漢の中の漢。
グローブを握り締める仕草。ハンドルに制限時間をカウントする時計を巻き付ける癖。警察無線を傍受し追手を撒く手際の良さ。裏切り者を指鉄砲で脅す時のジェスチャー。その一挙手一投足に惚れ惚れします。
自分の事は一切語らず、これまでどうやって生きて来たのか最後まで明かさないハッキリ言って謎な人物なのですが、それでもグイグイ引き込まれた。
ライアン・ゴズリングは今まで注目した事がない役者さんだったのですが本作で一気にファンになってしまいました。
 
一方、相手役を務めたキャリー・マリガンもキュートで可愛らしい
それ故に(あんな旦那とくっ付いたという部分を含め)子持ちの人妻に見えないという難点もありますが、そこはまぁフィクションですから目を瞑りましょう(笑)。
 
相反する「静」「動」の巧みな描き分け。
台詞ではなく役者の表情や「間」で心情を表現する演出手法。
ロスの夜景や夕焼けに染まる映像はとても美しく、挿入歌のチョイスも素晴らしい。
 
大作映画の様な派手なアクションも台詞によるオーバーな説明も皆無。
キャラクターや作風はどこまでもストイックで間違っても取っ付き易い作品ではありませんが雰囲気などは超一級品です!!。
 
いやホント噂に違わぬ最高にクールな映画で、
「この野郎!、面白いじゃないか!!」
と評したローリングストーン誌の気持ちがよ~く解りました。