冒頭シークエンスからリオデジャネイロでのロケ費用をケチってチープなセットと違和感だらけの合成でお茶を濁し、プロの殺し屋が2時間ドラマの犯人みたく相手を付き飛ばしたはずみで意図せず殺してしまったかと思えば、その直後に助けた綺麗なねーちゃんとちゃっかり恋仲になるなどクソ映画臭が半端ない。
しかし主人公が暗殺家業にカムバックしてからは雰囲気がガラッと変わり、ミッションインポッシブルな仕事を手際よくこなし、黒幕の裏をかきながら人質の救出に向かうステイサム版『96時間』に大化け。
格闘シーンやガンアクションも似たり寄ったりな作品が多い中、頭一つ抜きん出た魅力を放っており、元飛込競技の選手であるステイサムの美しいフォームを盛り込むなどファンサービスもバッチリ。
ジェシカ・アルバやミシェル・ヨーなど異様に豪華な共演者も見所の1つなのですが、取り分けトミー・リー・ジョーンズが『沈黙の戦艦』のストラニクスを彷彿とさせる尖がった武器商人を嬉々として演じているのが面白かった。