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『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013年) -★★☆☆☆- (ネタばれ含む)

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スタッフ&キャスト

原題: FAST & FURIOUS 6
製作: 2013年 アメリ
時間: 130分
音楽: ルーカス・ビダル   
出演: ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)
    ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)
    ドウェイン・ジョンソン(ルーク・ホブス)
    ミシェル・ロドリゲス(レティ)
    ジョーダナ・ブリュースター(ミア・トレット)
    タイリース・ギブソン(ローマン・ピアース)
    クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(テズ)
    サン・カン(ハン)
    ガル・ギャドット(ジゼル)
    ルーク・エヴァンスオーウェン・ショウ)
    ジーナ・カラーノ(ライリー)
    ジョン・オーティス(ブラガ)
    シェー・ウィガム(スタジアック)
    エルサ・パタキ(エレナ)
    ジェイソン・ステイサム(イアン・ショウ)

あらすじ

リオデジャネイロで犯罪組織から大金を強奪したドミニク(ヴァン・ディーゼル)とブライアン(ポール・ウォーカー)。
捜査の手が及ばない地で優雅な暮らしを送っていた彼らの前にFBI捜査官のボブス(ドウェイン・ジョンソン)が現れある話を持ちかける。
それは恩赦と引き換えに傭兵部隊を率いるオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンス)を捕えろというものだった。
難色を示すドミニクだったがショウの組織に死んだはずの恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)が関与している事を知らされ、事実を確かめるべく仲間と共に一路欧州へ飛ぶ…。

予告映像

感想

一時期低迷していたものの方向性を転換し見事に息を吹き返した人気カーアクションシリーズ第6弾。
前作の『MEGA MAX』は個人的に五つ星の評価を与えるに相応しい最高の娯楽大作だったので今回も楽しみにしていたのですが、ハッキリ言って期待外れでした。
 
とにかく『MAX』の時のような雑な脚本と、CG主体のリアリティ皆無なカーアクションが復活していてよろしくない。
街中で金庫を転がした前作も荒唐無稽でしたが、あれは実写でやりきったが故の説得力がありました。
 
今回も序盤に登場する車を吹き飛ばすフリップ・カーのシークエンスは、それに習って作られており素晴らしいのですが、中盤の戦車が登場する強奪シークエンスと輸送機を追走するクライマックスはダメダメ。
前者は本物のM1 エイブラムスでも出せば話は違っただろうが、デザインからして作り物感丸出しで重量感の欠片もないなんちゃって戦車が登場してげんなり。
悪党ならともかく一般人が運転する車を次々と踏み潰す人命軽視展開も鼻に付くし、ドミニクがレティを救うシーンの現実感のなさにも開いた口が塞がらない。
決着の付き方も『ダークナイト』の大型トレーラーみたく実車を引っくり返せばいいのに、CG処理で気付いたら止まってるもんだから拍子抜け。
 
輸送機と並走して展開するクライマックスに関しても「この滑走路全長何キロあんだよ!!」と突っ込まずにはいられない。
計算すれば大まかな数字を出せそうだが観た感じ10キロ以上は確実にあると思う。
スケールが大きいようでいて、やってる事は車で追い掛けつつ機内で肉弾戦するだけで前作の橋の上での一騎打ちのインパクトには遠く及ばない。
それ以前にカーアクションより格闘シーンの方に力を入れてるのだから可笑しな話だ。
 
キャラクターに関しても敵側に主人公たちを上回る車のプロフェッショナル集団を用意したにも関わらず印象が薄すぎ。
ルーク・エヴァンズ演じる親玉もカリスマ性が感じられず、何がどう凄いのか全く伝わってこない。
 
そもそも死んだはずのレティをかなり無理のある方法で呼び戻している点からして痛い。
劇中で死体をどうすり替えたかなど納得のいく説明もされないし、記憶喪失などという都合の良い後付け設定まで追加して脚本家は完全に手を抜いている。
ボブスも捜査官の癖に外国の軍事基地で司令官に銃を向け脅したりして何故逮捕されないのか?。
 
安っぽいロマンス。破綻したアクション。予想通りの裏切りに意外性のない結末。
前作のあのスカッ!!とするカタルシスはどこへやら。
家族や仲間の絆を描いているように見えるが、恋人が死んだ友人を前に妻や息子とワイワイやるとか無神経すぎるだろ?。
ドミニクなんて今付き合っている女性を捨てて、昔の恋人にすんなり乗り換える始末。
これは本当に酷い。
 
エピローグで時間軸が『X3 TOKYO DRIFT』に繋がり、ジェイソン・ステイサムがハンを仕留めドミニクに宣戦布告して今回の物語は終了。
次回作の監督は『SAW』のジェームズ・ワンになるようですが、今度はきちんとしたストーリーと本物のカーアクションを見せてくれる事を切に願います。