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『クロムクロ』 第二十六話(最終話) 「侍は振り返らず」

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P.A.WORKS初の本格派ロボットアニメとして全26話の長丁場を駆け抜けた『クロムクロ』
許容し難い中弛みがあったり、キャラクターの人物像や関係性も掘り下げ不足と言わざるを得ないのですが、最終回の出来が上々だったので「終わり良ければ全て良し」という気持ちにさせてくれました。

これまでのスカスカっぷりが嘘のような息つく暇もない展開で、最終決戦に向け旅立つ剣之介とそれをサポートする由希奈たちの姿を描いた前半。
シン・ゴジラ』同様、皆が自分の得意分野で協力し事態を打開していく様は痛快で、最初からこういう魅力を押し出して行けばもっと面白くなったのにと今更ながらに思います。

そして後半は『機動戦艦ナデシコ』の最終回よろしく全世界配信の「俺の嫁宣言」で由希奈と剣之介の駆け落ちENDかと思ったら、鹵獲したオーガを駆るボーデンが立ちはだかり、それぞれの言い分がぶつかり合うガンダム的な戦闘シーンに突入。
何気に第一期オープニングテーマ「ディストピア」の歌詞とリンクした剣之介のセリフが熱く、メリハリの効いたクロムクロとオーガの空中戦も短いながら見応えがありました。

思わぬ妨害で旅立つ剣之介を見送る事しかできなかった由希奈。
蛇足に思われた自主映画が思わぬ形で感動を呼び、ゼルが残した情報を頼りに彼女は剣之介を追い宇宙の果てへと旅立ち物語は幕を下ろす。
散々妨害しておきながら「むざむざ若者を死地に追いやってしまった」とほざくグラハム少佐や、5年で星間航行可能な船を作り上げ調査・支援に動く政府など腑に落ちない部分は多々ありますが、茅原父ことハウゼン博士の剣之介生存を匂わせるセリフや、べっぴんさんに成長したソフィー以下仲間たちのその後の姿なども盛り込まれ思いのほか綺麗に纏まった最終回でした。

この密度で全編やれていれば名作になっていたのになぁ…。