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『僕だけがいない街』 第十二話(最終話) 「宝物」


という訳で一足先に連載が終了した原作に続いて、アニメ版『僕だけがいない街』も堂々完結。
アニメのラストはオリジナル展開に改変されたそうですが私は原作未読なのでよく分かりません。
それにしてもノイタミナ枠は1クール=11話という認識だったのですが、いつから12話までやるようになったのだろうか?。

最終話は藤沼悟と八代(西園)学の対決回でしたが、まさかの壁ドンやボディタッチ、そして愛の告白?まで飛び出してビックリしました。
宿敵であると同時に最大の理解者であり、互いの存在によって自分の足りない部分を補い合うという関係性故こういう演出になったのでしょうが、ノンケの私ですら「ざわ…」となったのだから腐女子の方々はテレビの前で悶絶したに違いない。

決着の付け方に関してはやや強引な部分がありつつも一応納得できたのですが、「久美ちゃんを殺して悟が自殺する」という八代の筋書きは突飛すぎて「無理があるだろ…」と思ってしまいました。
だって昏睡状態から目覚めたばかりの記憶が11才で止まってる人間が点滴に筋弛緩剤を混ぜて殺すなんて回りくどい事しますかね?。

あと事件の影響を直接受けていないはずの愛梨がピザ屋のバイトではなくカメラマンをやっていたのも何故なのか?。
バタフライエフェクトと言われればそれまでだけど店長は普通に店長やってたし、彼女だけ変化したのは頑張った悟へのご褒美だったのかな?。

悲劇を防いだ事と引き替えに経験するはずだった11才~25才までの時間を失った悟ですが、その事を後悔せず、眠り続ける自分を支え続けてくれた友人たちへ感謝の言葉を口にする。
心象風景の教室で11才の悟が仲間の輪に合流する演出が感動的で、雛月の作文を含め孤独で悲しいイメージだった「僕だけがいない街」というタイトルがこのシーンで暖かなイメージに変化するのも素晴らしかった。

放送前はキャスティングに関していろいろ言われてましたが藤沼悟役の満島・土屋両名はあのメンバーの中でよく頑張ったと思います。
でも八代の二面性を見事に演じ分けた宮本充さんや、母性溢れる高山みなみさんの藤沼母。
そして人の温もりを知り変化していく雛月を繊細に演じて見せた悠木碧ちゃんと、やはりプロの声優さんは格が違いますね。

大人時代をビスタサイズ、子供時代をシネスコで描き分けるなど演出面も凝っており、実写寄りのリアルな演技を含め作り手の拘りを感じる上質な作品でした。