という訳で本放送時の熱中がすっかり冷めて劇場どころか、レンタルですらチェックする気になれなかった『SPEC〜結〜漸ノ篇&爻ノ篇』がノーカット放送されたので観てやる。
TVシリーズ最終回で「続きはやらねぇ」と宣言しておきながら、小出しに続編を作った挙句、完結編が前後編という酷い構成でファンにすら批判された本作ですが、真面目な展開をやると反動でふざけずには居られない堤幸彦の悪い病気の所為で最初から最後まで茶番感が凄まじかったです。
最新作『天空の蜂』はちゃんと作ったようだが、何で『SPEC』で本気を出さなかったのか理解に苦しむ。
引き続き餃子ロボが普通に居たり、オペ中にバナナを喰う執刀医が出たり、ミイラにされた吉川がお湯掛けて揉んだら蘇生したりとシリアスな空気をぶち壊していくスタイルが寒すぎて凍死しそう。
ギャグ要素を入れるなとは言わないが時と場合を考えろって話。
『ケイゾク』との接点である野々村係長の死すら利用しダラダラダラダラと尺を延ばした展開には怒りすら覚える。
くだらない要素を排除し締めるところをきちっと締めれば間違いなく1本に纏められたはずだ。
野々村係長が散るところまでが「前編」で「後編」は人類の存亡を掛けた最終決戦に突入。
冗談抜きで視聴を打ち切ろうと思いましたよ…(-_-メ)
スペックホルダーが純粋な地球人であり、能力を持たない今の人類は宇宙から飛来した混ざり者という設定。
そしてガイア理論まで持ち出した全人類粛清など話のスケールがどんどん大きくなるのに、向井理くん演じるセカイとの最終決戦の場に置いてもくだらないギャグやダジャレを連発して、これを面白いと感じる人間の感覚が私には理解できない。
吹き飛ばされて砂場に突き刺さる瀬文とか完全にギャグだし(無論死なない)、だったら最初から最後までギャグに徹しろよな!!。
警視庁の電波塔の上という地味過ぎるロケーションにオールスターキャスト集まって寸劇に興じるクライマックスも、あまりの茶番に嫌気がさしたのか何人かはヤケクソ気味に演じているように見えた。
つうかなんで当麻に飲み込まれたセカイ?が朝倉のセリフ吐くのさ?。
要するに朝倉とセカイは同一人物って事?。
抽象的過ぎてサッパリ分からん。
よく出来たディザスターCGと、世界から存在が消えてしまった当麻を瀬文が掴まえるラストは良かったけど、あとは何から何まで「なんじゃこりゃ?」って感じ。
MXで放送された『劇場版 アルペジオ』か、ミクさんが出た『Mステ』を観た方がよっぽど有意義だったと本気で後悔しています。
真面目にやったら面白かったかもしれない。
でもどういう訳かそうしなかった。
つまらないおふざけで茶を濁し、くだらない展開で引き延ばした結果がこの有様である。
(というかファンはそれを望んでいたはずだ)