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『ケープタウン』(2013年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Zulu
製作: 2013年 フランス
時間: 107分
監督: ジェローム・サル
脚本: ジュリアン・ラプノー ジェローム・サル
出演: オーランド・ブルーム(ブライアン・エプキン)
    フォレスト・ウィテカー(アリ・ソケーラ)
    コンラッド・ケンプ(ダン・フレッチャー)
    ジョエル・カエン(ベジーナ)

あらすじ

南アフリカの都市ケープタウンで、元ラグビー選手の娘が殺害された。捜査に乗りだした刑事ブライアンとアリは、事件の夜、少女が薬物の売人と会っていたことを知る。その薬物は、街で頻発している子ども失踪事件の現場で発見されたものと同じだった。薬物を手がかりに捜査を進めるうち、刑事たちは事件の裏側にひそむ組織的な陰謀の存在にたどり着くが…。

予告映像

感想

ニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』以降、同監督の『チャッピー』や『ジャッジ・ドレッド』『逃走者』『アベンジャーズ2』など映画のロケ地として脚光を浴びる南アフリカを舞台にしたオーランド・ブルームフォレスト・ウィテカー共演作『ケープタウン』を観た。
てっきり現地出身の新進気鋭の監督が撮った作品かと思ったら原作・監督・脚本がフランス人で、観るとなるほどフレンチ風味のサスペンス映画である。

妻子に愛想を尽かされたオーランド・ブルーム演じる自堕落な刑事と、アパルトヘイト時代に父親を焼き殺され自身も男性としての機能を奪われたフォレスト・ウィテカー演じる温厚な刑事が、少女の暴行死事件や消えた子供たちの行方を調べる内その裏に隠された巨大な陰謀に気付いてしまうというもの。

ダーティーオーランド・ブルームも魅力的ですが、物語の主軸はフォレスト・ウィテカー演じる刑事の変化。
体のハンデから家庭を持てず、唯一の肉親である母親を気に掛ける日々を送りながらも、アパルトヘイト時代の蛮行を咎めず、それに加担した人物の下で職に従事する。

そんな男が事件の深淵に足を踏み入れた事で徐々に変わっていくのがこの映画の肝であり、『セブン』ほどではないにしても、それに近い衝撃が待ち受ける。
エグイシーンが多く爽快感とは無縁ですがハードな展開やラストの余韻など、なかなか印象的な作品でした。