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『藁の楯』(2013年) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

製作: 2013年 日本
時間: 125分
原作: 木内一裕
監督: 三池崇史 
脚本: 林民夫
音楽: 遠藤浩二  
出演: 大沢たかお(銘苅一基)
    松嶋菜々子(白岩篤子)
    岸谷五朗(奥村武)
    伊武雅刀(関谷賢示)
    永山絢斗(神箸正貴)
    余貴美子(由里千賀子)
    藤原竜也(清丸国秀)
    山崎努(蜷川隆興)

予告映像  

感想

125分の本編がズタボロにカットされCM諸々含め114分に再編集された上で放送された『藁の楯』を観る。
デスノート』の所為か、はたまた『カイジ』の所為か、最近クズな役しか来ないとお嘆きの藤原竜也くん演じる幼女連続殺人犯に孫娘を殺された大富豪が犯人を殺した人間に10億円を謝礼として支払う事を大々的に発表する逆『S.W.A.T.』状態の中、その移送を任された大沢たかおさんと松嶋菜々子さん演じるSPの奮闘を描いたアクション映画。
監督はVシネからアイドルor子供向け映画まで何でも撮れる雑食系・三池崇史さんが担当しています。
 
さて肝心の内容ですが噂どおり脚本がガバガバで酷いですね(;一_一)
外国の宝くじくらい貰えれば話は別だが10億とか微妙な金額で人殺しを請け負う人間が、この日本にどれだけいるというのか?。
つうか富豪も有象無象の素人に頼るより、その金でプロを雇えばいいじゃんね。
一般人を巻き込み社会を大混乱に陥れた時点で内乱罪で逮捕だろ?。
 
そもそも犯人の護送方法からしてヘリを使わず旅客機やら護送車やら新幹線を使うとか間抜けすぎ。
まさかスティンガーミサイルやRPG-7で攻撃されるとでも思ったのか?。
途中で一般人の車を拝借するのだが素性の分らない人間にそのままハンドルを任せるなどハッキリ言ってこいつらアホです。
案の定、この人物が殺された子供の親でまた失笑。
なんでコイツだけ現れて他の奴は来ないんだよ?。
おまけに追跡されてんのに携帯の電源入れっぱでお前らGPSって知ってるか?。
マイクロチップなんて使わなくても位置バレバレだっつうの!!。
しかも護衛対象からちょいちょい目を離して逃げられたり、あまつさえ銃を奪われて撃たれるとかプロ失格。
セーフティくらい掛けろよ…(;一_一)
 
キレやすい刑事とか、金に目がくらんで犯罪を犯す一般市民や警官など、遠まわしに日本をDisってるようにしか見えず、こんな作品をわざわざカンヌに持って行き上映したとかホント恥ずかしいわ。
 
「救いようのない悪党を命を掛けて守る意味があるのか?」
という大層なテーマを描いているように見えるが薄っぺらい寸劇の連続で退屈極まりない。
清丸もそうだが私に言わせればあの富豪も同じくらい殺してやりたいんですけどね。
コイツの道楽でどれだけの人間が不幸になったと思ってんだよ?。
それで最後は自分の手で殺そうとかちゃんちゃらおかしいわ。
だったら最初から一部の人間だけ買収し自分の屋敷に運ばせて気が済むまで拷問でもしてろと言いたい。
 
最終的にあれだけの犠牲を出して守った清丸が死刑になって映画は終了。
で、結局この作品は何が言いたかったのさ?。
また罪を犯すようなクズは社会に出するべきではないという主張?。
どんな理由であれ一線は越えるなって教訓?。
それともSPの仕事は大変だから別の仕事を探しましょうというアドバイス?。
 
カットされたシーンの中に重要な要素があったのかもしれないが、あそこまで頑なにルールを守る主人公にこれっぽっちも共感できず、松嶋さんをおばさん呼ばわりする藤原竜也くんの好感度をかなぐり捨てたクズ演技を含め観ていて不愉快にしかならない作品でした。