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金ローで放送された『デスノート Light up the NEW world 特別版』を観た。

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第2のゴーリキーとして悪評を振り撒いている山﨑賢人と、打って変わって東京喰種などが好評な窪田正孝が共演したテレビドラマ版『デスノート』の最終回で告知されたにも拘わらず、そっちとは何の繋がりもなく、藤原竜也×松山ケンンイチ主演の実写映画版の続編という位置付けで制作された『デスノート Light up the NEW world』が特別版という名の地上波カット版で放送されたので鑑賞。

原作でも踏み込んでいない(厳密には読み切りという形で一度後日談が描かれている)、キラ事件後の世界を舞台に繰り広げられる新たなデスノートを巡る戦い。
概要だけ読めば興味をそそられますが、原作ファンも満足できる内容になっているかと言われれば、それは大いに疑問である。

若手人気俳優を当て込んだ3人の新主人公は中二というかKYというか痛い奴揃いで知的とは程遠い。
三島はまだマシなのだが、他2人の自己陶酔気味な顔芸がお寒い事この上なく、Lが遺した遺伝子(意味深)とか自慢している竜崎なんて完全にそこらのチンピラ状態。
三島と事あるごとに銃を付き付けて大声で凄み合ったり、こいつらアウトレイジの見過ぎじゃね?。

ミサと境遇が被ってる紫苑も本来であればキラがとった行動の正当性を体現する存在として正義の意味を問うべき役回りなのに、キャラ付けが薄っぺらくノリもチャラ男で心底ガッカリ。
凄腕のサイバーテロリストとかいう設定があって権力者を含む多くの人間の個人情報を手に入れたはずなのに、それを活用するシーンがないのもアホすぎる。

物語の中心となる対デスノートの専従捜査チームのローテク極まりない装備と行動もギャグでしかなく、例えば顔を隠すのがマフラーとグラサンとか夏場はどうするの?って感じだし、人質になる家族がいないし偽名を使ってるから大丈夫とか根拠のない自信も意味不明。
それでいて本名がバレてる松田を捜査から外さず、結果死なせるのだから全くもって酷い話である。
中盤の取引シーンでも、うっかり顔を隠すの忘れてミサの「死神の目」の餌食になったり、こいつら自殺志願者の集まりかなんかなの?。

終盤もツッコミどころは止まる事を知らず、殺すだけならスナイパーに狙撃させた方が確実なのに、何故かヘリで乗り付けて機銃掃射とか無駄が多過ぎ。
突入するにしたって「死神の目」があると仮定すれば催涙弾スタングレネード、あるいはスモーク弾で視界を潰してから踏み込むのがセオリーだろ?。

極め付けが身内に犯罪者がいる奴が捜査官になっていて、しかもそれがキラに殺されていたとかガバガバ過ぎて目も当てられない。
その直後に炸裂する、とって付けたかのような死神とのお涙頂戴エピソードも露骨過ぎて唖然としました。

ライトの隠し子設定も興醒めなら、ミサの扱いも雑で前作に泥を塗るようで気分が悪い。
こんな形で絡ませるくらいなら死神に転生したライトをセフィロスばりに降臨させた方がまだマシだった。

いろいろ文句はあるんだけど、どんでん返しに関しては意外性があって良かったし、善悪の彼岸へと歩み出す結末も、ライトとL、双方の意志を継ぐ者が現れたようで感慨深かった。
ノートを使う事を止められない人間の愚かさを嘲笑するリュークなど、上で列挙したアホくさい部分を修正して、きちんと時間を掛けて個々の人物像を掘り下げれば、あるいは傑作になっていたかもしれないだけに残念だ。