個人的にアレは彼自身というよりも担ぎ上げたジブリ側・特に鈴木Pに責任があるし、完成度云々で言えばタレントキャストの棒読み演技も相当足を引っ張っていたと思う。
んで今回はどうだったかと言えば、大変よろしかったのではないでしょうか?。
時代設定を含め『ALWAYS 三丁目の夕日』的なお父さん・お母さん(今の子たちならお爺ちゃん・お婆ちゃんかもしれない)世代が懐かしむタイプの作品で若い人達は置いてけぼりで聊か地味に映るかもしれませんが、吾朗監督が変に親父さんの影を追わず自分のやりたい事をやっている感じがひしひしと伝わって来て好感が持てますし、問題のタレントキャストも主人公兼ヒロインを演じた長澤まさみ嬢が大健闘していてGood!!。
ストーリーに関しては原作の力もあるのでしょうが、取り壊しの決まった部室棟「カルチェラタン」の存続活動を軸にヒロインと意中の男子の恋愛模様を織り交ぜた作りとなっており青春物として手堅く纏まっていたと思います。
ただクライマックスで主人公が走り出す青春物のお約束シーン。
あそこは余りにも簡単に目的地に辿り着いてしまい拍子抜けです。
せったくの見せ場なのだから、時間をもっとギリギリに設定したり、横浜の町を駆け抜けるシーンを入れるなどしてスペクタクルに仕上げればカタルシスが生まれたというのに実に勿体無い。
そういった詰めの甘さなどを含め全体の完成度は取り立てて優れているという事はないのですが、ここ最近の親父さんの作品よりは全然キャッチーで私は観易かったです。
吾朗氏は今後も監督業を続けるのであれば偉大な父の名に気後れせず自分のスタイルを貫き面白い作品を作って行って欲しいと思います。