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『中二病でも恋がしたい!』 Last episode 「終天の契約(エターナル・エンゲージ)」

 
脚本:花田十輝/絵コンテ・演出:石立太一作画監督:植野千世子
 
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最終回です。
ええもう完璧なまでに青春アニメでした。
 
ニョルニルハンマーを捨てて美少女化した凸守。
あんな事があったのに普通に勇太に接して来て驚いた。
「お前まで脱中二病か!!」と思ったらそんな事はなく、むしろくみん先輩が痛くなって笑う。
そんなくみん先輩、寝てばっかだと思ったら最後の最後で六花の想いを勇太に伝える大活躍。
 
父親の死という現実を消化できないまま姉や母を心配させまいと偽りの自分を演じていた過去の六花。
それがダークフレイムマスターとの邂逅により、中二病という救いを手に入れた事実が語られます。
自分じゃない誰かを演じるという同じ行為によって苦しんでいた六花が、そのイマジネーション溢れる自由な世界に惹かれたのは必然だったのでしょう。
 
時事ネタである「古代マヤ暦」を見越した中二病全開な自分からのメッセージと、くみん先輩から聞かされた六花の真実を胸に勇太が走り出す様は正に青春物の王道。
細田守時かけもそうですが、やはりこの要素は外せませんね。
 
そして再契約という名の告白。
「極東魔術昼寝秘密結社の夏」のアシストを受けつつ、つまらないリアルを変える為に六花を奪い去るダークフレイムマスターかっこいい。
この2人が再会し抱き合うシーンは演出やBGMを含めもの凄い完成度です。
まるで身分違いの恋が実ったファンタジー映画のラストシーンを観ている様。
 
父親が病気を隠したまま亡くなった為に気持ちの整理が出来なかった六花が、ダークフレイムマスターの一世一代の大魔術によって具現化された不可視境界線の果てで父に別れを告げる。
これは思い込みかもしれない、けどその気持ちに偽りはない。
そう。六花の「リアル」は変わったのだ。
 
暖かな朝日の中、逃避行を続ける2人。
ここに来てまさかの大塚芳忠さん再臨で、再び『バ○キシャ』風ナレーションが炸裂し爆笑。
せっかくモリサマーさんが
「程度は違えど誰しもが自分の中の理想像を演じる「中二病」である」
と格好良く考察したのに全部吹っ飛んでしまったよ(笑)。
 
なんだかんだありつつも再び勇太の上の部屋に住む事となった六花。
個人的にはもうちょっいはっちゃけた後日談で明るく締め括ると思っていたので、2人きりの会話という静かなシチュエーションで幕を閉じた事に驚かされました。
 
綺麗な最終回だったとは思いますが、本音を言えばエピローグで他のメンバーのその後とか、六花が家族とどうなったとかちゃんと見せて欲しかったです。
あれだけ魅力的なキャラクター達を放ったらかしにするなんて京アニらしくないよ…。