スタッフ&キャスト
予告映像
感想
経済的な理由で長らく制作が見送られていたシリーズ第23弾にして50周年記念タイトル。
世界各国でシリーズ最高のヒットを記録し、作風的にも原点回帰を図った意欲作。
イントロ部分のトルコ市内での追跡劇はスピード感があり一気に映画の世界に引き込まれます。
果てはショベルカーを振り回す列車上での攻防などハリウッド映画的な派手さに満ちた実にスリリングな導入部であり、そこからお馴染みのオープニングシーンへとシフトする流れは秀逸。
やがてMへの当て付けの様に行われるMI6への攻撃。
死の世界から蘇った007もMへの疑念を抱きつつ任務に就くものの2人の関係はぎくしゃくしっぱなし。
MはMで後任者にそろそろ引退しろとせっつかれ世代交代の波が押し寄せる。
その最もたる所が若々しいQの登場であり、作中では諜報作戦の重要性が軽視されるなど時代の変化が色濃く打ち出されていて実に興味深い。
今回もその独特の美声?とビジュアルで言動がホモくさいマザコンおじさんを怪演しております(笑)。
古きモノと新しいモノがせめぎ合い様々な意味での決別が描かれるラストは必見。
映像はIMAX上映されているだけあって非常に美しく、鏡を使った凝り凝りの構図や陰影を強調しシルエットを浮かび上がらせるカットなど芸術的ですらある。
アクション的にはアバンが一番派手でクライマックスが一番地味なので尻すぼみ感は否めませんが、合間に小粋な英国ジョークを挟みつつテンポ良く展開するので143分の長丁場も苦にならず最後まで楽しめました。