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日曜洋画劇場【45周年】 『ダークナイト』

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先々週の『インセプション』に続くノーラン祭後編。
今回も地上波初登場なのにガリガリのダイエットバージョン。
2時間32分の本編をCM諸々込みで2時間24分の放送時間に詰め込む為に40分近いシーンをカットしたと思われる
それにしても最初の強盗シーンからして削りまくりなのはちょっと酷い。
あそこはジョーカーの狂気を物語る圧巻のシークエンスだからノーカットでやるべきだと思うんだけどねぇ。
他にもあちらこちら画面の繋がりがなっていない所が多く、ハンス・ジマーの名スコアもズタズタで終始下手糞な編集にイライラした。
そもそも何故ノーカットで放送しない?。
 
インセプションと同じくシネスコープを引き延ばし両サイドをカットしている為に情報量も減少し、フラッシュの多いシーンにはポリゴン事件以後の通例となったマスクによる映像処理も掛けられている始末。
 
正直オリジナル版を幾度となく観返している人間には耐え難かったのですが新録吹き替え版の為に我慢して観た。
今回の話題は何と言っても映画史に残る混沌の使者にして最"凶"の敵ジョーカーの吹き替えを大塚芳忠さんが担当するという点ですが予想通り何時もの芳忠さんである意味安心しましたww。
オリジナルに近付けるというよりは芳忠さんのジョーカーって感じで、これを見るとソフト版の藤原啓治さんが如何にヒース・レジャーの演技に寄せて吹き替えをしていたかが解ります。
決して悪い訳ではないのですがオリジナルの喋り方や声のトーンがインプットされていると、芳忠ジョーカーはやはり違和感が強かったです。
 
他のキャスティングに関しては概ね嵌っていたと思います。
坂口芳貞さんのモーガン・フリーマンはやはり鉄板だし、井上和彦さんのアーロン・エッカートと諏訪部さんのキリアン・マーフィも良い感じ。
最初は「え?」と思った立木さんのゲイリー・オールドマンなんかは予想以上にしっくり来て驚きました。
 
日曜洋画劇場インセプションはミスキャストでしたがダークナイトの方は概ね満足。
ただ編集面では逆にインセプションの方が違和感を最小限に抑えており優れていたと思います。
ダークナイトは最初に書いた最初の強盗シーンもそうですが、アルフレッドの語るビルマの山賊のエピソードや、ジョーカーがレクチャーする混沌の作り方など印象的な場面がゴソッと抜けていて本当に酷かったです。
 
ラストのゴードンの台詞にしても素直にダークナイトで良かったんじゃない?。
わざわざ日本語の次に英語で言い直すって馬鹿っぽいよ。
あと暗転してタイトル出て、あのテーマソングをワンフレーズは流すべき。
余韻も感じさせず、さっさと騒がしい次回予告に行っちゃ至高のエンディングが台無しだ。
 
CM入れたり、画面比率変えたり、激しいフラッシュにフィルター掛けるのは許せるけど、編集作業はもうちょっと慎重にやって頂きたいと思う。
もし「今回の放送では一部のシーンをカットしてます」とか編集を示唆するテロップを入れるなら構いませんが、詳しくない人間はそれで作品を評価してしまう訳ですからね。