旧いまここにあるもの

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金曜ロードSHOW!で放送された「GANTZ -PERFECT ANSWER-」を観る。

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先週の前編に引き続き放送された実写版『GANTZ』の後編を観る。
前編のアクションが印象薄だったのに比べ今回は全体的に善戦しており特に地下鉄でのシーンは凄く頑張っていたと思う。
(まぁ運転手が殺されても走り続けるとかATCはどーしたっつう話なんですがねww)

あの狭い空間で長物を振り回す難しい殺陣とか、小まめに切り替わるカメラワークとか、ワイヤーアクションなんかも効果的に使われていて目を見張る物がありました。
blood the last vampire』よろしく制服で日本刀とか、ガン=カタもどきも見れたし満足度高し。
 
ターミネーターマツケン(笑)とオリジナルのマツケンと二宮くんの三つ巴の戦いとか、『エネミーオブアメリカ』も真っ青なガンツルームでの超至近距離での撃ち合いとか、日本映画らしからぬシーンの連続で見応えがあり。
 
ストーリーに関しても地球に攻め込んで来た侵略者と巨大ロボットを使って宇宙戦争やってる原作が正直収拾付かなくなっている様な気がしなくもない私としては、オリジナルの結末を含め実写版はコンパクトに纏まっており、これはこれで「あり」だなと思いました。
無論『GANTZ』の『GANTZ』たる部分が大幅に削減されていたのは事実ですし、単なるアクション映画と言われればそれまでなんですがね。
 
守る為の戦いが結果として誰かを傷付けていたという皮肉。
敵を倒せという言葉に疑問を抱かず盲目的に従い自分の命が掛かれば同族でも殺そうとする人間の短絡さ。
その一方でゲーム感覚で無残に殺された仲間の仇を取る為に行動する義理堅い星人達の姿など、本当の敵とは何なのか考えさせられる。
 
誰がどの様な理由でガンツを作り星人狩りを始めたかなど大元の部分について言及されませんでしたが、そこを掘り下げると永遠に終わらないので割愛したのも良い判断だと思います。
 
「何故殺した?」という問いに「お前たちと同じ事をした」と返す。
「やったらやり返される」を体現した物語は小難しくない分、下手な戦争映画なんかより響くのではないか?。
 
感情論でしか動けない人間を容易く論破した星人から主人公が大切な人すら守れず敗北するという衝撃の展開。
あらゆる犠牲を出し、結局は敵を撃つ事しか出来なかった玄野計が辿り着いた答え。
 
加藤の弟を含め全ての犠牲者がドラゴンボール的に生き返るラストはともすれば御都合主義であり、玄野の行動もアメリカ映画にありがちな自己犠牲を賛美している様に思えなくもない。
しかし全ての帳尻を合わせるべく自分が玉男となり誰の記憶にも留まらない(断片的には残っている様だが)切ないラストは個人的に嫌いではない。
 「パーフェクトアンサー」というよりも「たったひとつの冴えたやりかた」と言った感じだ。
 
正直な所もっと薄っぺらい作品だとばかり思っていたのだが予想以上にエンターテインメントしていて驚かされた。
原作とはやはり似て非なる物になってはいるがメッセージ性も申し分なく個人的には十分過ぎる出来栄えだと感じた。