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『ザ・レイド』(2011年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: THE RAID
製作: 2011年 インドネシア
時間: 102分
監督: ギャレス・エヴァンス 
脚本: ギャレス・エヴァンス
音楽: マイク・シノダ 、ジョセフ・トラパニーズ 
出演: イコ・ウワイス(ラマ)
    ヤヤン・ルヒアン(マッド・ドッグ)
    ジョー・タスリム(ジャカ)
    ドニー・アラムシャー(アンディ)
    レイ・サヘタピー(タマ・リヤディ)
    ピエール・グルノ(-)
    テガール・サトリヤ(-)

あらすじ

身重の妻を残し危険な現場に赴く正義感あふれるSWAT隊員のラマ。
彼の所属する部隊に与えられた新たな任務は犯罪者の巣窟と化した30階建てのビルに踏みこみ、そこを牛耳る麻薬王を逮捕する事だった。
音を立てず1階ずつフロアを制圧していく隊員たち。
だが小さなミスにより敵に存在を察知され思わぬ反撃を受けてしまう…。

予告映像

感想

アクション映画の新たな風はインドネシアからやって来た。
各方面で絶賛され松田龍平くんなどがジャパニーズヤクザとして参戦する続編の制作やハリウッドリメイクも決定している本編102分ほぼ殺り合ってる壮絶バトル映画『ザ・レイド』をようやく観賞。
 
街の外れに建つ入居者の9割が極悪非道な犯罪者というトンデモなくヤバイ高層ビルに20人のSWAT隊員と1人の警部補が踏みこんでえらい目にあう映画。
冒頭にちょろっと主人公の自宅が映るのだが後はエンディングまで冗談抜きにこのビルの中で物語が展開する。
 
侵入者に気付いた麻薬王
「住人諸君、害虫駆除に協力してくれたまえ」
「手柄を上げたら家賃はタダだ」
と言ったもんだから、さぁ~大変。
有象無象の入居者様が殺る気まんまんで主人公達に襲い掛かる。
最初は優勢に思えたのに、一瞬の判断ミスで攻守が逆転する様は『ブラックホークダウン』を見ている様だ。
 
幾ら高度な技術や装備があっても数の利には勝てず、みるみる内に1桁台まで仲間が減る。
レーティングが五月蠅くなった昨今、めっきり見る事がなくなった何十発もの銃弾を受け血飛沫を上げながら痙攣死する壮絶なシーンが続きまさにバイオレンス!!。
 
だがしかし、ここまではあくまで前座。
肝心のシラットは炸裂せず、ほぼ銃撃戦で済んでしまう。
 
面白いのはここからで生き残った僅かな仲間と共に主人公たちが今度はこのビルからの脱出を試みる。
一気にサバイバル要素が強まり、その中で仲間の裏切りや思いがけない家族のドラマが展開し、同時に武器がなくなった主人公は己の肉体を駆使し敵を蹴散らしていく事になる。
 
ここでようやく本作の主役である、インドネシア発祥で世界中の特殊部隊がその動きを取り入れている格闘術「シラット」(『サイコパス』で狡噛と槙島の格闘シーンに用いられたのも記憶に新しい)が炸裂!!。
1対大勢の怒涛のアクションはガチ当てで思わず「痛ぇ!!」と叫んでしまう事請け合い。
自身もガチ当てで映画を撮っているアクション俳優の坂口拓さん辺りは大喜びするに違いない。
 
うようよ湧いて来る雑魚どもを次から次に倒していくのだが、これが何故かだんだんと笑えて来るから不思議。
いや確かに最初は「凄ぇ!!」と興奮するのだが、敵と遭遇シラット→敵と遭遇シラットのワンパターンな流れが続き流石に終盤は食傷気味になる。
(というか疲れる)
 
ハッキリ言ってキャラクターの造形も浅く、アクションのみと揶揄されても仕方ないくらいストーリーは粗削り。
しかしワンアイデア・ワンシチュエーションでここまで魅せてしまうその情熱は本物だと認めざるを得ません。
 
かなり血の気の多い作品で、戦争映画やスプラッター映画ほどではないにしても残酷描写が多いので万人には奨められませんが、評判通りアクション映画好きなら絶対に観ておくべき一本だと感じました。