旧いまここにあるもの

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『あの夏で待ってる』は小粒ながらもイイ青春物だった。

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『おねティ』&『おねツイ』ファンとしては確信犯的な小ネタに最後まで楽しめた『あの夏で待ってる』
結局同じ世界での物語ではなかったですが、最終回でお姉ちゃん(井上喜久子さん)の声が聞こえて来て「うひょ~」ってなりました。
 
まんま「メン・イン・ブラック」な檸檬先輩と、男前なりのんが格好良かったww
 
最初片想いが一方通行で「この関係が最終的にどうなっちゃうの?」とか思ったけど、みんな自分の気持ちと折り合いを付けた上で海人とイチカを応援してくれたので気持ち良かったです。
哲朗が美桜に甘えたり、柑菜が海人の代わりに哲朗になびいたりしたら全てぶち壊しでしたが、そうならなかった事にも好感が持てました。
 
しかし海人とイチカはいい友人に恵まれたと思うよ。
当人達に非はないんだけど周りがあんだけ恋に破れる中、のろけまくってられたんだからさ(笑)。
 
なんかこの作品は海人とイチカの恋の行方というより、この2人の関係を周りの友人がどう捉え支えるかが見所だったと思う。
結局あの2人は一目惚れし合って、その想いに殉じただけだからね。
種族の違いや銀河連盟のルールに阻まれた時だって彼等の背中を押したのは柑菜であり、美桜であり、哲朗であり、檸檬だった訳だし、乱暴に言えば海人とイチカは何もしてないなと(笑)。
 
柑菜なんかは特に頑張っていたと思うんですよ。
自分の気持ちが叶わないと解れば、好きな人が幸せになれるよう恋敵との仲を応援する。
なんでそこまで尽くすの?ってくらい健気で真っ直ぐ。
海人に猛烈なアピールをし、檸檬に一服盛られくだを巻き、失恋の痛手に打ちひしがれ、苦悩しながらも笑顔で送り出す。
石原夏織さんの等身大の演技も相まって近年稀に見る表情豊かで魅力的なキャラクターでした。
 なんなら本作の主役は柑菜だと言っても問題ないと思う。
 
イチカが地球を去り、檸檬は未完成のフィルムを残し学校を後にする。
夏が過ぎまた新たな季節を歩きだす面々。
そして時間が流れエピローグの中で映画が完成し、そのワンシーンで間接的にイチカとの再会を描く演出なんかは在り来たりではありますがグッと来ました。
中には「ちゃんと描けよ!!」って人も居るでしょうが当事者を出さず、想像する余地を残す描写は余韻が残って個人的には好きです。
 
傑作とは言えませんが夏の雰囲気や青春のほろ苦さなんかはよく出ていたと思います。 
ただ近々で『あの花』とかがあったからインパクトとしては御世辞にも高くないですね。
ストーリーとかは別物なんですがスタッフ的に重複しているんで雰囲気が被ってしまい、そういった意味でも目新しさはなかったなと…。
どうせなら脚本を煮詰め思い切って一本の映画作品とかにしたら面白かったかも?。
上手く纏めれば結構イケると思うんですけどね~。