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『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: X-MEN: FIRST CLASS
製作: 2011年 アメリ
時間: 131分
監督: マシュー・ヴォーン 
脚本: マシュー・ヴォーン 、ジェーン・ゴールドマン 
音楽: ヘンリー・ジャックマン 
出演: ジェームズ・マカヴォイ(チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX))
    マイケル・ファスベンダー(エリック・レーンシャー(マグニートー))
    ケヴィン・ベーコン(セバスチャン・ショウ)
    ローズ・バーン(モイラ・マクタガート
    ジャニュアリー・ジョーンズ(エマ・フロスト)
    オリヴァー・プラット(CIAエージェント)
    ジェニファー・ローレンス(レイブン・ダークホルム(ミスティーク))
    ニコラス・ホルト(ハンク・マッコイ(ビースト))
    ゾーイ・クラヴィッツ(エンジェル・サルバドール(エンジェル))
    ルーカス・ティル(アレックス・サマーズ(ハボック))
    ジェイソン・フレミングアザゼル
    ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ショーン・キャシディ(バンシー))
    エディ・ガテギ(アルマンド・ムニョス(ダーウィン))
    アレックス・ゴンサレス(クエステッド(リップタイド))
    ローレンス・ベルチャー(チャールズ・エグゼビア(少年期))
    ビル・ミルナー(エリック・レーンシャー(少年期))
    グレン・モーシャワー(ヘンドリー大佐)
    マット・クレイヴン(CIA長官)
    レイ・ワイズ(米国国務長官

あらすじ

裕福な家に生まれ名門大学に通うチャールズ(ジェームズ・マカヴォイ)は幼き頃よりテレパスとしての能力を開花させる。
 
米ソ間の緊張が高まり世界情勢が切迫する中、CIAに協力を求められたチャールズは戦争を回避すべく秘密裏にミュータントによる特殊部隊を設立。
メンバーをスカウトする中でチャールズは金属を自在に操る能力を持ったエリック(マイケル・ファスベンダー)と出会う。
 
辛い過去を分かち合い、共に試練を潜り抜け親友となった2人は、
核大戦による人類滅亡を目論む黒幕ショウ(ケヴィン・ベーコン)の野望を打ち砕くべく、仲間と共に一触即発のキューバへ向かう…。

予告映像

感想

ゲームであれ映画であれ、
「前史を描いた作品は面白い」
 
冷戦を舞台に若き日のプロフェッサーXとマグニートーの邂逅と別離を描くシリーズ最新作。
個人的にX-MENシリーズはストーリーやキャラクターがアメコミし過ぎていて余り好きではないのですが、本作は『007』シリーズを意識したスパイ映画的な要素や、史実を巧みに融合させたリアルな世界観が相まって、すんなり観る事が出来ました。
 
キック・アス』に引き続き持ち前のセンスを遺憾なく発揮したマシュー・ヴォーン印の映像や、60年代のセンスを取り入れた各種デザインも洗練されいて素晴らしい。
主人公たちが終盤に着用する青と黄色のツートンカラーのスーツなどはオシャレでカッコイイし、登場人物の仕草や構図など絵になるシーンも多く、観終わった後こめかみに指を添えたり、意味もなく手のひらをかざしたくなる事請け合い。
 
主演のジェームズ・マカヴォイマイケル・ファスベンダーも良い味を出しており、脇を固める若手とベテランの配役バランスも実に見事。
チャールズとエリックの関係性が見事なまでに「攻め」と「受け」でいちいちBL臭かったり、個性派俳優ケヴィン・ベーコンが七変化する悪役を伸び伸びと演じていたりと話題に事欠きません。
  
人間同士の争いがミュータントという新たな脅威によって収まるという『ウォッチメン』ばりの皮肉なラスト。
他人と違う姿をそれも個性だと受け入れるのか?、畏怖し続けるのか?。
選民主義や排他主義、人種の違いによる差別など人が抱える根源的な問題をミュータントという存在で炙り出すシリーズ通してのテーマも冷戦という時代背景の中でより明確に描かれていた。
 
難点があるとすればアクション率の低さで、クライマックスも決戦というには余りに淡泊な為、今までの様なド派手なバトルを期待する人には聊か地味に映るかもしれない。
だが私個人としては知的なストーリーを含めシリーズで最も没頭する事の出来る作品だった。
 
新三部作として続編の製作も噂されているが、これは是非とも実現して頂きたく思う。