スタッフ&キャスト
原題: Atomic Blonde
時間: 115分
製作: 2017年 アメリカ
監督: デヴィッド・リーチ
脚本: カート・ジョンスタッド
音楽: タイラー・ベイツ
出演: シャーリーズ・セロン(ロレーン・ブロートン)
ジェームズ・マカボイ(デヴィッド・バーシヴァル)
エディ・マーサン(スパイグラス)
ジョン・グッドマン(エメット・カーツフェルド)
トビー・ジョーンズ(エリック・グレイ)
ジェームズ・フォークナー(C)
ソフィア・ブテラ(デルフィー・ラサール)
ビル・スカルスガルド(メルケル)
サム・ハーグレイブ(ジェームズ・ガスコイン)
ティル・シュワイガー時計屋)
あらすじ
冷戦末期、ベルリンの壁崩壊直前の1989年。西側に極秘情報を流そうとしていたMI6の捜査官が殺され、最高機密の極秘リストが紛失してしまう。リストの奪還と、裏切り者の二重スパイを見つけ出すよう命じられたMI6の諜報員ロレーン・ブロートンは、各国のスパイを相手にリストをめぐる争奪戦を繰り広げる。
予告映像
感想
ノンクレジットながら『ジョン・ウィック』での演出手腕を買われオファーが絶えないデヴィッド・リーチの単独監督デビュー作にして、最近ブロックバスター作品への出演が続くシャーリーズ・セロンが主演・製作を手掛けた『アトミック・ブロンド』を鑑賞。
各国の諜報員が暗躍した冷戦末期のベルリンを舞台に、二重スパイの存在と奪われた機密帳簿を巡り敵味方が入り乱れ騙し騙されるスパイゲーム。
売りのシャーリーズ・セロンのゼロレンジコンバットは噂通り凄まじく、特に終盤の10分近いワンカットシークエンスはまさに圧巻。
ハンドガンを主武器として大多数を相手に無双する『ジョン・ウィック』と違い、本作は少数を素手で打ち倒していくスタイルなので消費カロリーがめちゃくちゃ高く、生傷が絶えない格闘シーンは見ているこっちまで息切れしてくる。
リアル一辺倒かと思いきや、ジャッキー・チェンリスペクトなアクションを織り交ぜるなどバリエーションも豊富でその辺りは流石スタントマン出身の監督だ。
『フィルス』を彷彿とさせる胡散臭いジェームズ・マカヴォイや、義足の殺し屋でも宇宙人でもアラブの女王でもない普通の人間役のソフィア・ブテラ。
ジョン・グッドマンやティル・シュヴァイガーといった渋い脇役に加え、ピエロメイクじゃない素顔のビル・スカルスガルドが印象的な活躍をしてくれるのも目の保養になってGood。
全体的なアクション比重はそこまで高くないのでシャーリーズ・セロン版ジョン・ウィックを期待すると肩透かしを食らうが、きちんと諜報活動がメインで描かれる「お洒落なスパイ映画」であり、男に媚びない強い女性が活躍する作品を観たい人には強くお薦めできる一本です。