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『28週後…』(2007年) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: 28 WEEKS LATER
製作: 2007年 イギリス/スペイン
時間: 104分
製作総指揮: ダニー・ボイル
監督: フアン・カルロス・フレスナディージョ 
脚本: フアン・カルロス・フレスナディージョ 、ローワン・ジョフィ 、ヘスス・オルモ 、E・L・ラビニュ
音楽: ジョン・マーフィ 
出演: ロバート・カーライル(ドン)
    ローズ・バーン(スカーレット)
    ジェレミー・レナー(ドイル)
    ハロルド・ペリノー(フリン)
    キャサリン・マコーマック(アリス)
    マッキントッシュ・マグルトン(アンディ)
    イモージェン・プーツ(タミー)
    イドリス・エルバ(ストーン大佐)
    アマンダ・ウォーカー(サリー)
    シャヒド・アハメド(ジェイコブ)
    エミリー・ビーチャム(-)

あらすじ

人間を凶暴化させる“RAGEウイルス”の猛威が終息し復興に向け歩み始めたイギリス。
スペイン旅行で難を逃れたタミーとアンディの姉弟は保護地区で働く父親のドンと再会を果たし、母親のアリスが感染者の群れに襲われ死んだと告げられる。
 
しかし数日後、ドンの言葉に反しアリスは街の郊外で軍によって保護され、検査の結果彼女が“RAGEウイルス”に対し免疫がある事が判明する
治療薬の開発への道が開けた保菌者の発見。
だがそれは更なる悲劇の幕開けを意味していた…。

予告映像

感想

『28日後…』の続編だから『28週後…』。
タイトル通り感染が始まってから28週後、ウィルスが終息し米軍主導で復興へと歩みだしたロンドンを舞台に新たな恐怖が幕を開けます。
 
前作の叙情的で希望に満ちたラストは何処へやら?、執拗に繰り返される残虐描写と絶望的な展開には舌を巻きます。
「愛する者に殺される恐怖。愛する者を殺してしまう絶望」
とはよく言ったもんで、感染者と軍、双方に虐殺される非感染者たちの姿はまるで戦争映画。
ウィルスの所為で家族同士殺し合ったり、命令に背き市民の見方をした軍人が仲間に焼き殺されたりと、本当に救いが無い!!。
 
特に感染者の群れに取り残され、やっとの思いで子供たちと再会出来たと思ったら、自分を囮にのこのこ生き残ったヘタレ親父にフルボッコされる奥さんが不憫過ぎ!!。
ヘリコプターの散髪くらいオーバーなスプラッターシーンなら笑えるけど、ここは流石に無理だわ…(汗)。
 
良き行いをした人間がきちんと救われた前作と違い、今回はそういった人物が尽く不幸になるんで最高に後味が悪く、
テーマにしても壊れていく家族の姿を描きたかったのか、本当に恐ろしいのは理性を持った人間だと言いたかったのか、単に目的の為なら手段を選ばない軍を批判したかっただけなのかサッパリ解らん。
 
あの親父にしても、無駄にしぶとくて中盤以降は登場する度に「またお前か!!」とツッコミを入れてしまう。
全力疾走の感染者から逃げ切るくらいだから身体能力は高いんだろうけど余りの無敵っぷりにギャグにしか見えなかった。
(前作のキリアン・マーフィーと言い、イギリス人は日頃から特殊な訓練でも受けているのだろうか?)

続編(『28ヶ月後…』)を見越した意味深なラストもスッキリせず、やはり『28日後…』で終わらせておくべきだったと思わずにはいられない。
前作の様な深いメッセージ性や余韻も感じられず、単なる殺戮映画にしか見えなかった。