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『[リミット]』(2010年) -★★★☆☆-

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■スタッフ&キャスト■

原題: BURIED
製作: 2010年 スペイン
時間: 94分
監督: ロドリゴ・コルテス 
脚本: クリス・スパーリング 
音楽: ヴィクトル・レイェス 
出演: ライアン・レイノルズ(ポール・コンロイ)
    ロバート・パターソン(-)
    ホセ・ルイス・ガルシア・ペレス(-)
    スティーヴン・トボロウスキー(-)
    サマンサ・マシス(-)
    エリク・パラディーノ(-)
 

■あらすじ■

イラクで民間トラックドライバーとして働くポール(ライアン・レイノルズ)は何者かに襲われ、棺と共に土の中に埋められてしまう。
やがて意識を取り戻したポールに犯人は身代金500万ドルを米国政府に支払わせろと要求する。
携帯電話やライターなど手元にある僅かな道具を駆使し、ポールは救助隊を呼ぼうと試みるのだが…。

■予告映像■

■感想■

『セブン』を彷彿とさせる逆再生クレジットで幕を開ける本作。
『CUBE』や『SAW』など限定された空間で物語が展開する作品は数あれど、これは本当の意味でのワンシチュエーションスリラー。
 
テロリストに襲われ気付いたら暗い暗い箱の中。
手元にはオイルライターとバッテリー残量が半分の携帯電話。
助かる為にはどうするべきか?。
 
CSI:科学捜査班でも似たようなエピソードがありましたけど、これはそれを更に突き詰めた感じ。
なんせ画面に映るのはライアン・レイノルズだけで後は携帯の通話相手、つまりは声だけなのだ。
 
救助の電話をしてもたらい回しにされた挙句、テンプレな回答が帰ってくるばかり。
「大丈夫だ」「心配ない」「きっと助かる」お決まりの台詞ばかり並べられイライラが募る。
妻の携帯は留守電でアルツハイマーの母親は息子だと気付いてもくれない。
終いには責任を負いたくない会社から不当な解雇通知まで告げられる始末。
 
携帯のバッテリー残量・犯人からの要求・箱の中の酸素量・侵入してくる砂、などなど、
ありとあらゆる手段で追い込まれて行く主人公を観ていると、こっちまでどうにかなってしまいそうだ。
所詮映画と侮るなかれ、ストレスに敏感な人や、閉所恐怖症の人は注意した方が良いだろう。
 
大手の作品であれば間違いなくハッピーエンドに改変されたであろう、「これが現実さ」と言わんばかりの衝撃の結末も低予算映画ならでは。
ただ「ごめん。間違っちゃった」(てへっ☆)的なオチは好き嫌いが分かれる所で、かくいう私も「そりゃないよ~」と思わずには居られなかった。
フィクションと言えど、努力した人間が報われないのはやはり気持ちの良いものではない。
 
面白い作品は金を掛けずとも作れるという指針を見せたアイデアの勝利とも言うべき必見の映画なのだが、大衆娯楽向けの作りにはなっていないので観賞する場合それなりの覚悟を持って挑んで下さい。