旧いまここにあるもの

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録画しておいた『沈まぬ太陽』を観た。

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先週、金曜ロードショーでON AIRされた『沈まぬ太陽』を鑑賞。
まずは一言
「長いよ!!」
 
さてこの映画、公開当時某航空会社が自社のイメージを失墜させると抗議してましたが確かにフィクションと断りつつもあからさまにモデルにしてますね。
ただ自分達に非がないのであればわざわざ相手になんかしないでしょうから痛い所を突かれたって事かしら?。
私としてはむしろ今の腐った政治家や相撲業界の内情なんかと重ねてしまいましたがね…。
 
そんな訳で内容的には鬱屈した話が3時間近く続くため観ていて気分の良い物ではありません。 
社会派ドラマが地味で暗いというのは重々承知ですが、自分の保身に走る権力者たちに虐げられる人々という図式を延々と見せられストレスが溜まる溜まる…。
さながら"きたねぇ大人の品評会"といった感じでしょうか?。
主人公も主人公で何か言い返せば良いのに最後まで怒りを表に出さないんですよね~。
余りに下衆な奴等ばかり出て来るもんだから観ているコッチがキレそうになりました(苦笑)。
 
そんな"きたねぇ大人"の中でただ1人高潔な信念を貫き押した男の人生が物語の軸として存在しているのですが、ここは完全に渡辺謙さんの1人舞台。
日本は元よりハリウッド大作への出演もこなす謙さんを、これでもかとプッシュしておりファンには堪らん作品と言えます。
(逆に謙さんの事を好まない方にとっては苦痛でしかないでしょう)
 
本作は日本アカデミー賞・最優秀作品賞を受賞したと謳っていましたが、私はそこまで優れた作品とは到底思えませんでした。
本編は3時間22分もありますが正直言ってその時間に比例しただけの中身はありません。
全編ほぼ主人公の視点で展開するのに、これだけ時間を掛けてTVの2時間ドラマ程度の事しか描けていないとは如何な物か?。
必要性を感じない蛇足的なシーンの連続や時間軸が入り乱れる冒頭部分の解り辛さなど、プロとは思えないお粗末さに絶望した。
 
別に長い映画を作るなとは言いませんが、やるからには内容にもその時間に見合った厚みを持たせるべきでしょう。
単に肌に合わなかっただけかもしれませんが私はこの作品から
「3時間22分の価値」
を感じませんでした。