旧いまここにあるもの

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「SE7EN Blu-rayコレクターズボックス」がキター!!。

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1995年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督のカルトスリラー
が遂にBlu-rayでリリースされました!!。
 
近年は『ベンジャミン・バトン』や『ソーシャル・ネットワーク』など人間ドラマを重視した作品を手掛ける事が多くなっていますが、この頃は若さもあってか発表する作品全てがまるでナイフの様に尖がっておりました。
 
 
降りしきる雨と銀残しによって映し出される熱を感じさせない冷たい映像。
世界有数の大都会に暮らしながら空虚で満たされない人々の心。
そして「七つの大罪」になぞらえた連続猟奇殺人と驚愕の結末…。
 
他者の意見を聞き入れず自分が正しいと思いこんでいる愚か者たちで溢れ、
加工された肉を食べながら動物を捌くシーンは残酷だと文句を垂れる矛盾だらけのこの世界では、
ミルズやサマセットの正論よりもジョン・ドゥが語る
「今の時代人に意見するには肩を叩いてもダメだ。ハンマーを使わねば本気で耳を傾けない」
「罪の無い人間なんていない。そんな事が言えるのは世の中が腐っているからだ」
という言葉の方がよっぽど共感出来るのが悲しい。
 
世紀末を感じさせる退廃的な物語は観る者の恐怖心や絶望感を煽り、現代社会を鋭く風刺した台詞の数々は知的であると同時に哲学的。
ダークでヘヴィな作品だけに観終わった後間違いなく鬱になりますが、それを補って余りある魅力がこの映画には秘められています。
 
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今回発売されたBlu-rayコレクターズボックスには映画誌『cut』責任編集による特製ブックレット。
そして豪華コミックブックがセットになっています。
 
ジョン・ドゥのノートをあしらったコミックブックは全編英語表記なので何が書いてあるかさっぱど分かんね。
ただ表紙には日本語で
「この作品には凶悪・猟奇的殺人表現、性的表現、乱暴な言葉づかいが含まれます。」
「これらの表現を不快に思われる方やお子様はご覧いただかないことをお勧めします。」
との注意書きがしてあります。
正直「そんな奴がこのBlu-ray買うんじゃねえよ!!」と私は言いたいし、こんな事を一々書かなきゃいけないほど物分かりの悪い人間が世の中に増えた事が嘆かわしい。
 
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Blu-rayはスッキリと一枚組。
ケースもデジブック仕様となっており、スタッフ&キャストのバイオグラフィーや作品解説が載っています。
 
本編に関しては映像がHi-def・音声もDTS-HDと一昔前の作品でありながらBDスペックを駆使した高品位な仕上がりとなっており大満足。
個人的には今までTV放映された全吹き替えバージョンが収録されているだけで言う事なし!!。
 
世間が浮足立っているこの季節、本作を観て良い感じで鬱になろうと思います(笑)。