「食」といっても3号機に喰らい付く初号機とか零号機にかぶり付く第10の使徒の話ではなく、
ごくごく普通の「食事」の話。
『破』において「食事」はとても重要なキーワードになっていたと思う。
それはシンジがミサトやアスカに料理を作っていた事であり。
レイがみそ汁を食べて「おいしい」と言った事であり。
シンジとゲンドウの仲を取り持つべくレイが料理に励む姿であり。
負けじとシンジ好みの味付けを模索するアスカのいじらしさだったりする。
私はこれらのシーンを観て改めて「庵野さん変わったな~」と感じた。
旧世紀版の食事といったらカップラーメンにカレーをぶっ掛けたり。
屋台にラーメン食べに行ったりと実に独身男性的な「食」だった。
しかし今回は心のこもった「手料理」である。
しかもレイが心動かされるのが「みそ汁」なのだ。
実に家庭的ではないだろうか?。
更に言えばレイの行動を通して「確執のある人間関係を改善させるには食卓を囲むべきだ」といったメッセージも感じ取れる。
旧世紀版の「食べる」という行為は、それこそ初号機や量産機の「捕食」という限りなくネガティブな表現であった。
しかし新劇場版では「食べる」事でみんなが幸せな気持ちになれるというポジティブな方向性で描かれている。
『破』を観ると物事の考え方なども間違いなく変化していると感じる事が出来ます。