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『劇場版 TRIGUN -Badlands Rumble-』 ★★☆☆☆

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製作 2010年 日本
時間 90分
原作 内藤泰弘
監督 西村聡
脚本 小林靖子
音楽 今堀恒雄
声の出演
    小野坂昌也(ヴァッシュ・ザ・スタンピード)
    速水奨(ニコラス・D・ウルフウッド)
    鶴ひろみ(メリル・ストライフ)
    雪野五月(ミリィ・トンプソン)
    磯部勉(ガスバック・ガロン・ゲッタウェイ
    坂本真綾アメリア・アン・マクフライ

あらすじ

流砂に囲まれた町・マッカ。
ここを大強盗ガスバックが狙っているとの噂が流れ、町はガスバックの懸賞金を目当てに集まった賞金稼ぎ達で賑わっていた。

そんな賞金稼ぎに紛れてマッカを訪れた1人の男。
彼の名はヴァッシュ・ザ・スタンピード。
類い稀な銃の腕前を持つ凄腕ガンマンにして「ラヴ&ピース」を信条とする不殺の平和主義者である。

ひょんな事から道中出会った賞金稼ぎのアメリアとこの町に滞在する事となったヴァッシュ。
多くの賞金稼ぎが金目当てにガスバックを狙う中、この2人だけは別の目的でガスバックを追っていた…。

予告映像


感想

2007年に連載が終了した内藤泰弘さんの超人気SF・ウエスタン・ガンアクション・コミック『TRIGUN』。
1998年に放送されたTVシリーズから11年の時を経てこの度、劇場版として再び映像化されました。

この劇場版のストーリーはTVシリーズの前半部分。
まだナイブスやGUNG-HO-GUNSといったキャラクターが登場する前の時間軸である為、ギャグ成分が多めで軽い乗りで物語が展開します。
全体的な印象は良くも悪くもTVシリーズの中の1話といった感じで、劇場版ならではのスペクタクルやカタルシスといった部分が控えめになってしまっているのが少々残念。

かと言って詰まらないという事はなく確りと起承転結があるので作りとしては王道です。
原作ファンであれば賞金稼ぎが集結する砂漠の町でヴァッシュ&ウルフウッド&メリル&ミリィと言ったお馴染のメンバーが再会し大事件に発展して行く様は本当にワクワクしますし、リアルタイムでアニメ放送を観ていた人にとっては喋って動く彼らの雄姿に感動する事請け合い。



ゲストキャラクターであるガスバックとアメリアもレギュラーキャラに負けず劣らずの存在感を放っており、2人の過去にもヴァッシュを深く関わらせた事で違和感なく『TRIGUN』の世界の住人として成立していました。

本作においてボスキャラのポジションであるガスバックは奪う事に独特のルールを持った美学ある犯罪者。
私自身こういった悪役は大好きなのでかなり萌えました(笑)。
ただガスバックはもう少し強くても良かったと思う。
余りにも強いキャラクターを出すとシリーズ全体のパワーバランスが崩れてしまうのですが、劇場版なんだし同じ様にTVシリーズの間の話として制作された『カウボーイビバップ 天国の扉』くらい盛り上げても良かったんじゃないかな?。

もう1人のゲストキャラクターで、ある意味本作のヒロインであるアメリアは予告だともっと人を寄せ付けないツンとしたタイプだと思っていたのですが割と喜怒哀楽がハッキリした娘でした。
特に前半でヴァッシュにストーキングされている時の彼女の反応は可愛かったな~(ここは野郎ばっかの本作において数少ない「萌え要素」ですよ!!ww)。
出演作が後を絶たない坂本真綾さんの珍しい酔っ払い&リバース演技が聞けたのは儲け物かも?(笑)。



本作は原作者である内藤泰弘さんが設定や作画修正など制作に深く関わっており、TVシリーズよりも原作に近いイメージで映像化されている様に私は感じました。
劇場版とあって作画も美しくモブキャラ(賞金稼ぎ達)もよく動いているので見応え十分。
原作キャラクターとゲストキャラクター、更に有象無象の賞金稼ぎ達が入り乱れる様は正に「お祭り映画」と呼ぶに相応しい。

ファンの方は勿論ですが、原作を知らない人でも楽しめるように間口の広い作りになっているのでココから『TRIGUN』の世界に入っていくのも有りでしょう。
ジャンル的にはガンアクションに区分されますが基本的に人死にはないですし、ラストはハッピーエンドなので気兼ねなく観て楽しめます。
というかギャグ成分の方が多目なので、むしろ笑えるかも?。


個人的なベストシーンはウルフウッドが死んだ(と思われた)ヴァッシュのメガネを掛けてアメリアと共にガスバックに挑むシーン。
ちょっとした事なんだけど、こういうのって男子は燃えるんですよね~(笑)。