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『サブウェイ123 激突』(2009) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題 THE TAKING OF PELHAM 1 2 3
製作 2009年 アメリ
時間 105分
原作 ジョン・ゴーディ
監督 トニー・スコット
脚本 ブライアン・ヘルゲランド
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演 デンゼル・ワシントン(ウォルター・ガーバー)
    ジョン・トラヴォルタ(ライダー)
    ジョン・タートゥーロ(カモネッティ警部補)
    ルイス・ガスマン(レイモス)
    マイケル・リスポリ(ガーバーの上司ジョンソン)
    ジェームズ・ガンドルフィーニニューヨーク市長)
    ベンガ・アキナベ(-)
    ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(-)
    ヴィクター・ゴイチャイ(-)

あらすじ

大都市NYを支える重要な交通機関として人々の生活を支える地下鉄。
ある午後の昼下がり、ペラム発1時23分の列車に異常が発生する。
ニューヨーク地下鉄運行司令部で働くガーバー(デンゼル・ワシントン)は早速、当該車両に無線連絡を入れるのだが応対したのは運転手ではなくライダー(ジョン・トラヴォルタ)と名乗る謎の男。
彼は先頭車両一台を切り離し乗客乗員19名を人質にしている事を告げ、残り59分で1000万ドルの身代金を市長に用意させるようガーバーに要求するのだった…。

予告映像


感想

この物語をある状況に例えるなら、電話対応した男(デンゼル・ワシントン)に散々不平不満をぶちまけて振り回したクレーマー(ジョン・トラボルタ)が最後に「俺のお陰でお前は生まれ変わった」と強烈な捨て台詞を吐き捨てて終わる映画です。

世界で最も金が掛かるロケ地として有名なNYを舞台にトニー・スコットらしいキレのある演出で映し出される映像は単純にカッコイイのですが、リメイク作品であるが故プロット自体に斬新さはなく今風にアレンジされたであろう脚本もいたって凡庸な仕上がり。
オチも大して目新しくもなく、何より犯人側の描き方が雑で最後までデンゼル・ワシントン演じるガーバーの1人舞台だった。

この手の犯罪映画は悪党が悪党なりに魅力的な人物だと総じて映画全体が面白くなるのですが、この作品でジョン・トラボルタが演じた主犯格のライダーは情緒不安定で行動に一貫性がなく筋も通さないただのイカレた男でしかない。
知能犯と言うには口数が多く、卑猥な言葉を連発したかと思えば突然ぶち切れて19人しか居ない貴重な人質をバンバン撃ち殺す。
自分の意見が通らなければ相手を怒鳴り散らす姿は我が儘な糞ガキにしか見えず、こんな男の何処に惹かれて犯人グループが集まったのか最後まで理解出来なかった。

しかもネズミに噛まれて犯人を誤射するスナイパーや、どう考えたって同士撃ちするであろう配置から犯人に一斉射を加える警官隊。
そしてタイムリミットが迫る中、身代金を車で輸送する手際の悪さ等々…。
リアリティやシリアスさとは無縁のおバカ描写も目に付いてしまった。

観る前はデンゼル・ワシントンVSジョン・トラボルタの対決をトニー・スコットが撮ると聞いて期待していたのですが、結果はなんとも腑に落ちない微妙な作品でした…。