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『ザ・バンク 堕ちた巨像』 ★★★★☆

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原題 THE INTERNATIONAL
製作 2009年 アメリカ/ドイツ/イギリス
時間 117分
監督 トム・ティクヴァ
脚本 エリック・ウォーレン・シンガー
音楽 トム・ティクヴァ 、ジョニー・クリメック 、ラインホルト・ハイル
出演 クライヴ・オーウェン(ルイ・サリンジャー
    ナオミ・ワッツ(エレノア・ホイットマン
    アーミン・ミューラー=スタール(-)
    ブライアン・F・オバーン(-)
    ウルリク・トムセン(-)
    パトリック・バラディ(-)
    ミシェル・ヴォレッティ(-)
    ジェイ・ヴィラーズ(-)

あらすじ

ルクセンブルクに拠点を置く国際銀行「IBBC」。
兼ねてより武器売買やマネーロンダリングと思われる不正な金の動きを察知し調査を進めていたインターポール捜査官のサリンジャーだったが、その過程で相棒を「IBBC」の差し向けた殺し屋に暗殺されてしまう。
報告を受けたニューヨーク検事局のエラと共に本格的な捜査に乗り出すサリンジャー
だが重要な証人や証拠は闇に葬られ、捜査自体にも圧力が掛けられ逆に追い詰められて行く…。

予告映像


感想

世界的な巨大銀行「IBBC」の裏の顔を探る捜査官の戦いがサスペンスフルに描かれる本作。
ラン・ローラ・ラン』『パフューム ある人殺しの物語で知られるトム・ティクヴァ監督の美的センスが光る独特の映像やカメラワーク、そして絵になるカットの連続には酔いしれる事請け合い!!。

ストーリーは前半「IBBC」の後手に回り証人が次々と消されていく中でその実行犯を追い詰める刑事ドラマの様な展開から、正攻法では「IBBC」には勝てないと言う現実を前にクライヴ・オーウェン演じる主人公が苦悩の末にある決断を下す終盤までぐいぐい引き込まれます。

本作のハイライトシーンであるグッゲンハイム美術館での銃撃戦もスタッフが『HEAT』を意識したと言うだけにかなり力が入った作りで、忠実に再現されたセットで繰り広げられるリアリティ溢れる攻防は必見!!。

仲間の仇である殺し屋とすら手を組まなければならないジレンマ。
自分の信じた法と言う名の正義では「IBBC」を告発出来ない現実。
この世の矛盾や問題に苦悩する落ち目の主人公を演じたクライヴ・オーウェンはハマり役だったと思います。

ドイツ出身の監督故に全体的にアメリカ映画とは一線を画す、どこかお洒落で芸術的な雰囲気も好きな人には堪らないでしょう。
決して派手な映画ではありませんが「地味でも良く出来たサスペンス映画が好き」と言う人は観て損は無い筈です。