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『トゥモロー・ワールド』 ★★★☆☆

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スタッフ&キャスト

原題 CHILDREN OF MEN
製作 2006年 アメリカ/イギリス
時間 109分
監督 アルフォンソ・キュアロン
原作 P・D・ジェイムズ
脚本 アルフォンソ・キュアロン 、ティモシー・J・セクストン
音楽 ジョン・タヴナー
出演 クライヴ・オーウェンジュリアン・ムーアマイケル・ケインキウェテル・イジョフォーチャーリー・ハナム 、クレア=ホープ・アシティ 、パム・フェリス 、ダニー・ヒューストン 、ピーター・ミュラン 、ワーナ・ペリーア

あらすじ

西暦2027年、人類に子供が生まれなくなり18年経った世界、人々は希望を失い、秩序は崩壊し、世界は混沌の中にあった。
イギリスの政府機関で働くセオ(クライヴ・オーウェン)も希望を失った1人だった、日々仕事を淡々とこなすだけの彼の元に、活動家を続けるかつての妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)が現れる。
そしてセオにある移民の少女を国外に逃がす手引きをする様に頼まれる、だがその少女は驚くべき事に新たな命を身籠っていた…。

感想

保健所の様な強制収容所での人々の扱い、荒れ果てた街で生活する難民達、新たな命が誕生する出産の場面、それに相反する命を奪い合う戦場の場面。
大作映画が避けて通る描写やテーマを描いたドキュメンタリー映画の匂いがするとても重厚な作品、半端な気持ちで観ると痛い目みます。

全編徹してふんだんに使われる長回しのカットは観てるだけで面倒臭そうです。
長回しのカメラワークはどれも神の目的なアングルではなく、主人公達と行動を共にする存在しないもう1人の登場人物の様な目線。
終盤の市街戦ではストーリーそっちのけで「良く撮ったな~」と関心してしまった、NG出したら修羅場だよ~コレ(笑)。

セオ役のクライブ・オーウェンは同時期の『インサイド・マン』での役柄とは違い、世の中に希望を持てない冴えないオッサン役とその演技の広さに関心。
そんなセオが妻の意思を継いでキーをヒューマンプロジェクトへ送り届ける為に命を掛ける姿!!、オッサンバンザイ!!(笑)。
ポスターなどにはオーウェンとムーアの共演の様に書かれてますが、ジュリアン・ムーアは重要なキャラクターではあったがチョイ役でした。
個人的にはマイケル・ケインの演じた、あのハイカラなお爺さんが良かった。

監督の並々ならぬ"こだわり"が感じられる濃ゆ~い作品、結構重いストーリーなので観終わってもスッキリ出来ないでしょうが、観る価値は十分有ります。