内藤泰弘「血界戦線 Back 2 Back ④ -V・次元血統-」(集英社)

アニメ第2期も絶賛放送中の『血界戦線』。
その原作2ndシーズン「Back 2 Back」の最新第4巻(シリーズ通算14巻目)が満を持して発売となりました。

今回はタイムリーな差別問題に対し温厚なツェッドくんの怒りが爆発する「Angry Young Merman」。
日頃の悪行が祟りザップが酷い目に遭ってザマァwwな「ザップ・レンフロ 因果応報中!!」。
そして前巻で噛ませ犬的扱いだった次元怪盗ヴェネーノの正体に迫る「 V・次元血統」の三篇を収録。

カオスなヘルサレムズ・ロットにあっても確実に存在する見た目に対する差別をテーマにした「Angry Young Merman」は現実問題とリンクした内容で、胸糞な連中にさしものツェッドくんもブチ切れるなど人の愚かさが描かれると同時に『トライガン』にも通じる家族愛に触れる血界戦線のシリアスサイド。

一方、その余韻を台無しにする「ザップ・レンフロ 因果応報中!!」は血界戦線のギャグサイドを象徴するようなエピソードで、ザ・ダメ人間なザップパイセンがアニメにも登場したバナルカデス呪術を駆使するトレイシーにまたしても呪いを掛けられ恨みを持つ皆々様にサンドバックにされる抱腹絶倒エピソード。

人のいい上司(クラウス)の絡み方も最高に笑えるし、ちょっとイイ感じになったと思ったら酷いオチに爆笑必至。

ラストは今巻のサブタイトルにもなっている「-V・次元血統-」。

前巻で超人キュリアスに瞬殺され噛ませ犬かに思われた次元怪盗ヴェネーノの忘れ形見が登場し、彼の愛刀「無銘」を受け継ぎ力を振るう。

「幸薄の美少女×刀使い」という魅力的すぎる新キャラクター・ヴェネランダは父の復讐という形で今後キュリアスと共に再登場しそうなので今回エンカウントしなかったライブラの面々とどう絡むかを含め楽しみです。