スタッフ&キャスト
原題: The Accountant
時間: 131分
製作: 2016年 アメリカ
監督: ギャビン・オコナー
脚本: ビル・ドゥビューク
音楽: マーク・アイシャム
出演: ベン・アフレック(クリスチャン・ウルフ)
アナ・ケンドリック(デイナ・カミングス)
J・K・シモンズ(レイモンド・キング)
シンシア・アダイ=ロビンソン(メリーベス・メディナ)
ジェフリー・タンバー(フランシス・シルバーバーグ)
あらすじ
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフには、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切り、年収10億円を稼ぎ出す命中率100%のスナイパーというもう一つの顔があった。そんなウルフにある日、大企業からの財務調査の依頼が舞い込んだ。ウルフは重大な不正を見つけるが、その依頼はなぜか一方的に打ち切られ、その日からウルフは何者かに命を狙われるようになる…。
予告映像
感想
数学の天才にして格闘術や銃器の扱いに長けた街で噂の会計士。
捜査機関の追跡を煙に巻き裏社会で危険な相手と取引を行いながらも質素な生活を送るこの男は一体何者なのか?。
ここ数年、増加の一途を辿る「ケンカを売った相手がヤバかった系映画」に属しながら、これまでとは違ったアプローチで挑んだ本作。
取り分け社会的弱者として描かれる事の多い自閉症の主人公が毒を以て毒を制すアンチヒーローとして活躍する姿は斬新で、ともすれば関係団体から抗議が来そうなものだが、どっかの偽善チャリティー番組みたく「障がい者=可哀そうな人たち」と好奇の目で見るのではなく、それをあくまで個性であり才能の1つとして描いている点が紳士的で好印象。
細かな仕草や視線移動、言葉遣いなどベン・アフレックの役者魂が炸裂しており、『ザ・レイド』や『PSYCHO-PASS サイコパス』でお馴染みの格闘術「シラット」を用いたファイトシーンや、ターミネーターのような正確無比な射撃を見せる銃撃戦といったアクションも適度に用意され楽しませてくれる。
知的かと思えば意外なほど肉体派で、シリアスな雰囲気でありながらちょいちょい笑いを誘うシーンも挿入され、中でも「ベスト・キッドじゃねぇかww」とツッコミを入れたくなる修業シーンは、どこまで狙っているか分からないがコントにしか見えなかった(苦笑)。
予告などでは「どんでん返し」を匂わせているが期待したほど意外性はなく、とって付けたような再会シーンの浮きっぷりなど「それで終わりかい!!」という感じもしなくもないが、日本映画界と同じく原作物と続編でお茶を濁し続ける米国で生まれた完全オリジナルのアクションシリーズとして制作が決定した続編にも期待したい。