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『サカサマのパテマ』(2013年) -★★★★☆-

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製作: 2013年 日本
時間: 99
監督: 吉浦康裕
脚本: 吉浦康裕 
音楽: 大島ミチル
声の出演:
    藤井ゆきよ(パテマ)
    岡本信彦(エイジ)
    大畑伸太郎(ポルタ)
    ふくまつ進紗(ジィ)
    加藤将之ラゴス
    安元洋貴(ジャク)
    内田真礼(カホ)
    土師孝也(イザムラ

あらすじ

暗く狭い坑道が広がる地下世界の集落のお姫様パテマは、坑道を探検するのが毎日の楽しみで、立ち入りが禁じられている「危険区域」がお気に入りの場所だった。
しかし、ある時、いつものように危険区域に立ち入ったパテマは、そこで予期せぬ出来事に遭遇し、底の見えない穴へと落ちてしまう。
一方、空を忌み嫌う人々が暮らす世界アイガの少年エイジは、周囲の人々とは異なり空にあこがれを抱いていた。
そんなある日、エイジは、立ち入り禁止のフェンスの向こう側に広がる地下へと続く大きな穴から、空に向かって落ちてきた少女パテマと出会う。

予告映像

感想

『君の名は。』の大ヒットで新海誠監督が全国区になってしまったので、『イヴの時間』で高い評価を受け次のブレイクが期待される吉浦康裕監督の『サカサマのパテマ』を今更ながら鑑賞。

遥か昔、2つの重力によって引き裂かれた人類。
その末裔である空に憧れる少年と、空に落ちていくサカサマの少女が出会い、世界の真実に辿り着く不思議な物語。

話自体はよくあるボーイミーツガール物で、物語の舞台が変わり映えしないため世界観の広がりも乏しいのですが、それを補って余りある映像の面白さは必見。
空に落ちていく恐ろしさや、互いの体重を用いたアクション、何より価値観自体が反転するラストのどんでん返しなど、随所に散りばめられた「本当にサカサマなのはどちらか?」という問い掛けが印象的で、「視点を変えれば世界も違って見えてくるし、相手の気持ちを真に理解するには相手と同じ境遇に立たなければいけない」という真理をついたメッセージも素晴らしい。

同じく「二重引力」がコンセプトの『アップサイドダウン 重力の恋人』という実写作品が同時期に公開されましたが、『サカサマのパテマ』の方がその設定を上手く料理していたように思います。
イデア勝負感の強い作品で大作映画的な派手さはありませんが私はとても気に入りました。
いまさらだけどBlu-ray買っちゃおうかな?。