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『カイト/KITE』(2014年) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Kite
製作: 2014年 アメリ
時間: 90分
原作 梅津泰臣
監督: ラルフ・ジマン
音楽: ポール・ヘプカー
出演: インディア・アイズリー(サワ)
    サミュエル・L・ジャクソン(カール・アカイ)
    カラン・マッコーリフ(オブリ)
    カール・ボークス(ソーンヒル
    テレンス・ブリジット(スタギー)
    デオン・ロッツ(プリンズルー)
    ライオネル・ニュートン(オーティス・ブリードラブ

あらすじ

少女たちが人身売買組織に性の奴隷として売り買いされる近未来。
幼い頃に組織によって両親を殺されたサワは、父の相棒だった刑事アカイに暗殺者として育てられる。
組織への復讐のため、娼婦になりすまして男たちを暗殺していくサワは、精神のバランスを保つ薬「アンプ」の副作用で記憶が薄れていくなか、組織のボスに接近していくが、やがて残酷な真実が明らかになる。

予告映像

感想

AKIRA』『火垂るの墓』『逆襲のシャア』など、名立たる作品に参加した実力派アニメーター梅津泰臣さんが1998年に発表し、過激な描写と激しいアクションでカルト的な人気を博したアダルトアニメ『A KITE』を実写化した『KITE』をチェック。

当初『ワイルドスピード』『トリプルX』のロブ・コーエンが実写化に興味を示すも立ち消えとなり、それを原作ファンを公言する『デッドコースター』『スネーク・フライト』のデヴィッド・エリス監督がサルベージ。
改変されまくった脚本を原作通りに戻すなど尽力したものの撮影直前に急死してしまい、最終的に無名のラルフ・ジマンが監督を引き継いで完成させたいわくつきの作品である。

その紆余曲折っぷりと長らく配給先が決まらなかった事から嫌な予感はしていたが見事に的中。
映像はスタイリッシュを気取っていますがカメラワークは酷く凡庸で、グダグダな演出と編集の所為でテンポがとにかく悪い。
爽快感の無くなったアクションと反比例して増えた無駄なグロ描写に、オリジナルから劣化したダサすぎるBGM、何の余韻もない結末と何から何までガッカリされられた。

原作を意識したエレベーターでの射殺シーンや被弾してから時間差で爆発する銃弾。
これまた原作ファンを公言するサミュエル・L・ジャクソンの怪演など部分的に良いところはあるのだが、それだけ。

様々なトラブルに見舞われながらも映画を完成させた根性は買いますが「やはりデヴィッド・エリスに撮って欲しかった…」というのが率直な感想です。