旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年) -★☆☆☆☆-

イメージ 1

スタッフ&キャスト

原題: Terminator Genisys
製作: 2015年 アメリ
時間: 126分
脚本 レータ・カログリディス パトリック・ルシエ
音楽: ローン・バルフェ
    エミリア・クラーク(サラ・コナー)
    ジェイ・コートニー(カイル・リース)
    ジェイソン・クラーク(ジョン・コナー)
    イ・ビョンホン(T-1000)
    J・K・シモンズ(オブライエン刑事)

あらすじ

未来の人類反乱軍のリーダーであるジョン・コナーの母サラ・コナーを歴史から抹消するため未来から殺戮マシーンのターミネーター「T-800」が1984年に送り込まれる。
しかし、そこには老いた姿の同型ターミネーターが待ち受けていた。

時を同じくしてサラ・コナーを守るためこの時代にやってきたカイル・リースはそこでT-1000に襲われ、その窮地をサラ・コナーに救われる。
そして幼少期にT-800と出会い、戦士として育てられたサラはカイルに「全てが変わった」と告げるのだった。

予告映像

感想

Mr.ターミネーターことアーノルド・シュワルシェネッガーがカムバックし、ジェームズ・キャメロンが絶賛したにも関わらず本国アメリカで大コケし、シリーズ最低の評価を受けた『ターミネーター:新起動/ジェニシス』を観た。

告で公式ネタバレしてるから書きますが本作では1984年以前にタイムスリップしたターミネーターがサラ・コナーを育て、ジョン・コナーがターミネーターになります。

封切直後から駄作だという噂は聞こえていましたが、こんなんを「私にとっての三作目」とか言ってしまうキャメロンは青いエイリアンの映画撮って頭が沸いたのだろうか?。
私に言わせればキャメロンが散々扱き下ろしたジョナサン・モストゥ監督の『T3』のが全然面白かったし、こんな愚策をやるくらいなら三部作と言われたマックG監督の『T4』の続きを作った方がマシだったと本気で思う。

タイムパラドックス物はきちんとやらなければ一瞬でストーリーが破綻するのに、本作は「老けたシュワちゃんをどうやって物語に絡ませるか?」という部分にしか興味がないようでお粗末の一言。
しかも1984年に個人でタイムマシンをこしらえて、今度は過去から未来に飛ぶもんだから開いた口が塞がらない。

「未来が変わった」と言いながら「審判の日」が1997年に起こるという前提で行動していたり、カイル・リースと愛し合うと彼が死ぬだとか、敵としてのジョン・コナーが生まれてしまうとか言ってる事が支離滅裂。
冷静にツッコミを入れるとわざわざ「審判の日」の直前に飛んで「時間がない!!」と焦る意味が解らないし、ジョン・コナーが生まれる前に2人で未来に飛んだ時点でジョンの年齢にズレが生じるだろ?。
当のターミネーター化したジョン・コナーは「俺たちは時間の流れから零れ落ちた。だから両親(サラやカイル)を殺しても俺は消えない」と謎理論を振りかざして観客を納得させようとしますが、あまりに馬鹿らしくて途中から考えるのを止めました。

んで止めたら止めたで今度はCG感丸出しでリアリティの欠片もないアクションシーンの酷さに目が行く始末。
どんな凄い事してたってあり得ないカメラワークと重力を無視した安っぽい動きの連続で、これっぽっちも興奮しない
キャメロンとシュワちゃんネガキャンしまくった『T3』や『T4』にはキチッと実写で撮って「すげぇ!!!!」と思わせるシーンがあったのに、終盤のヘリチェイスなんて完全にCGアニメで失笑。
ターミネーター同士の戦いも壁を突き破ったり、投げ飛ばされてぶつかった鉄骨が歪むだけのワンパターンっぷりで、最終決戦なんてまるっきし格ゲー。

本作の見所であるCGで再現された1作目のシュワちゃんと老シュワちゃんの対決はファンには嬉しいサプライズだが「そこまでやるならT-1000もロバート・パトリックにしろよ!!」と思ったのは私だけではないはず。
何故こっちはイ・ビョンホンで済ませたのか理解に苦しむ。
一体誰向けのアピールなのか?。
(まぁそんな事言い出したらカイル・リースも馬面のジェイ・コートニーではなく、CGで再現したマイケル・ビーンにすればいいとなってしまうのだが…)

主人公たちの行動にも不自然な部分が多く、小回りが利かずスピードも出ないスクールバスでターミネーターから逃げようとした時は「アホか!!」と思いました。
最新型のハイブリッド・ターミネーターもガラタクで作った「磁力グローブ」でダメージを受けていて「人やマシーンを超えた存在」が聞いて呆れる。
終いには「アップグレードした」とか言ってシュワちゃんが新品のボディで「I'll be bacK」したのに、すぐそばに居た敵は「あの爆発を生き延びたとは考えられない」ってどんだけご都合主義なんだよwwww

改めて言うが本作よりも『T3』や『T4』の方が見所が多く楽しめたし、先日たまたま午後ローで放送された『T2』の方がVFXやアクションに目を見張るものがありました。
技術に溺れて映画として基本的な部分が欠落した愚作。
いっその事、次は低予算でやってみてはどうだろうか?