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『フューリー』(2014年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Fury
製作: 2014年 アメリ
時間: 135分
監督: デヴィッド・エアー
出演: ブラッド・ピット(ドン・コリアー(ウォーダディー))
    シャイア・ラブーフ(ボイド・スワン(バイブル))
    ローガン・ラーマン(ノーマン・エリソン)
    マイケル・ペーニャ(トリニ・ガルシア(ゴルド))
    ジョン・バーンサル(グレイディ・トラビス(クーンアス))
    スコット・イーストウッド(マイルス軍曹)
    アナマリア・マリンカ(イルマ)
    アリシア・フォン・リットベルク(エマ)

あらすじ

1945年4月、ドイツへ侵攻する連合軍の米兵ウォーダディーは、自ら「フューリー」と命名したシャーマンM4中戦車に乗り、戦いを続けていた。
ウォーダディーと3人の仲間に新兵のノーマンも加わり、5人となった部隊は絆を深めていくが、進軍中にドイツ軍の攻撃を受け他部隊がほぼ全滅。
なんとか生き残ったウォーダディーの部隊にも過酷なミッションが下される。

予告映像

感想

シュワちゃん主演の『サボタージュ』とほぼ同時期に製作・公開となった売れっ子デヴィッド・エアー監督の『フューリー』を観る。
これまで汚職警官や麻薬絡みの犯罪劇をメインに描いてきた同監督が脚本家として参加した『U-571』以来となる戦争映画に挑んだ意欲作。

予告などでは戦車バトルをメインにした戦争アクション的な売り込み方をしていたので、てっきり圧倒的な性能差のあるティーガー戦車に挑む映画なのかと思ったら、終盤は『プライベートライアン』よろしく軍事的な重要ポイントをわずかな人員で死守するという展開になり面食らってしまった。
流石にあの人数であれだけの部隊をあの状況で相手にして善戦するのはご都合主義な気がしてならないのだが…(;一_一)

物語の基本ラインは百戦錬磨の戦車チームに新米が配属され先輩にいびられながら一人前の兵士に成長していくという物で、前半はバラバラになった死体を片付けさせられたり捕虜の殺害を強要されるなど酷い扱いを受け鬱屈した展開が続く。
映像は戦争を題材にしているだけあって泥まみれで血生臭く、砲撃で人がバラバラになったり、敵兵士を生きたまま戦車で轢き殺したり、戦地で心を通わせた女性が次の瞬間呆気なく命を落としたりするので覚悟した方がよい。

戦車アクションもあるにはあるのだが思いの外少なく、過度な期待を持つと肩透かしを食らう事請け合い。
しかしながら曳光弾や跳弾、装甲に敵弾が当たった際の戦車内の反響などには拘りを感じるし、実車を使った映像も迫力十分。

ただ脚本はお世辞にも良いとは言えず、あれだけ人殺しを嫌っていた新米が唐突に一人前と認められるなど成長物語にとって重要な「過程」の部分がすっぽりと抜け落ちているのは頂けない。
絆を育む部隊の仲間も顔が濃い割にいまいちキャラ立ちしていないし、中盤に結構な時間を割いた「食事シーン」も物語上重要とは思えず、この後の伏線にもなっていないというのは如何なものか?。
最後に何故あのナチス兵がああいった行動を取ったのかを含め、納得がいかない部分が多過ぎました。