旧いまここにあるもの

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『ALDNOAH.ZERO -アルドノア・ゼロ-』 #24(最終回) 「いつか見た流星 —Inherit the Stars—」

 
富野御前の『Gレコ』も大概でしたが『ALDNOAH.ZERO -アルドノア・ゼロ-』の最終回も詰め込みまくり&唐突な戦争終結に開いた口が塞がりませんでした。
どうして最近のロボットアニメってこうなっちゃうんですかね?。
 
寝耳に水な姫様の王位継承~婚約~停戦宣言。
車椅子から立ちあがる=今まではニセモノだったという暗示なのでしょうが、地球側も火星側もこの状況でそれを「はいそうですか」と鵜呑みにするのは幾らなんでも無理があるだろ?。
第一、火星騎士は基本的に憎き地球人を皆殺しにして土地と資源を取り戻そうという考えなのに、どうして多くの部隊はこの宣言で攻撃を止めたのか理解に苦しみます。
クゼの言葉を借りるなら「水は低きに流れる 人の心もまた低きに流れる」と思うんですけどね。
 
んで、この宣言を聞いた途端にスレイン卿はやる気をなくして難攻不落(自称)の月要塞を爆破してもう訳が解りません。
そもそも、どうしてこの程度で戦局をひっくり返されたのか?。
少なくとも機体性能は火星側の方が圧倒的に上だったのに、イナホ機と戦術リンクした途端、スーパーサイヤ人みたく戦闘能力が跳ね上がるとか都合主義にもほどがある。
最初の頭を使いギリギリで敵を倒していた展開は何だったのか?。
 
地球軍への投降命令(これも意味不明)を無視して戦う部下たちに感化され、自爆するつもりだったスレインが考えを改めイナホと激突。
最強の練習機が某『進撃の巨人』的な刀身交換式ブレードを使いタルシスとソードバトルを展開するのですが、脚本はこんなにもガバガバなのに戦闘シーンだけは本当に本当に本当に素晴らしいクオリティで格好良かった。
 
激闘の末、地球に落下する2機のカタフラクト。
単体で大気圏突破できるとか地球の科学力は火星の古代文明を凌駕してるじゃないか(汗)。
んで、落下する2機が流星となりそれを第1話で揚陸城の落下に伴う流星に世界平和の願いを込めていた幼き姉弟が見つめているという構図。
私はてっきりどっちかが火星人に殺され、復讐の為に姫様を撃つのかと思ってました。
曲がりなりにも「戦争」を描くなら、それくらいドロドロしなきゃダメだろ?。
 
地球に堕ちたスレインが呆気なくイナホに捕えられ、物語は唐突に火星と和平を結び復興しつつある地球の風景にスキップ。
あのさぁ…。
あれだけ同胞が殺されてるのに「はいそうですか」って世論が動くほど世界は美しくないでしょ?。
一部で衝突は続いているとの事ですが、こんな理想論、テレビ越しとはいえドロドロの中東情勢とか事ある毎に誹謗中傷してくる醜悪な隣国の姿を日々見聞きしている今の世代には茶番にしか見えませんよ。
 
スレインが姫様暗殺未遂の首謀者という事にされていましたが、あの時点でペーぺーだったスレインに何が出来たというのか?。
そもそも彼は世界をどうしたかったの?。
地球に新たな領有地を作る事が本当に姫様の為だと思っていた?
だとしたら彼を擁護したエデルリッゾちゃん涙目ですわ。
 
表向き死んだ事にされつつ牢獄で生かされていたスレインですが、そんな極悪人という事にされているならもっと刑務官とかに虐待されると思うんですけどねぇ…。
なんでみんな性善説に則ったモブばかりなの?。
イナホは姫様の「救ってほしい」という願いを受けて助けたと言いますが、全然救われてないじゃん。
つうかどうして打ちもしないチェスをテーブルに広げたんですかね?(質問)。
 
前記したように肉親を殺された子供が姫様を殺そうとするとか、偽姫様とハークライトがスレインを助けにきて彼らは彼らの理想を追い求めるみたいな一捻り加えられなかったのか?。
 
最後まで火星で虐げられている民衆の顔は出なかったし、そもそも誰が残した文明なのかも追及させず仕舞い。
姫様をNTRされたイナホくんの心情とか、それを見つめる韻子ちゃんとか、宙ぶらりんな要素が多過ぎるでしょう…(;一_一)
 
名人様を気取るつもりはありませんが、この結末に納得出来る視聴者がいるのか甚だ疑問。
結局、虚淵玄さんが直々に脚本を書いた1話~3話が至高でした。
もし虚淵さんが全話手掛けていたら、こんな事にはならなかったんだろうな…。