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『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(2011年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: BATTLE: LOS ANGELES
製作: 2011年 アメリ
時間: 116分
監督: ジョナサン・リーベスマン 
脚本: クリストファー・バートリニー
音楽: ブライアン・タイラー   
出演: アーロン・エッカート(マイケル・ナンツ曹長
    ミシェル・ロドリゲス(エレナ・サントス曹長
    ラモン・ロドリゲス(ウィリアム・マルティネス少尉)
    ブリジット・モイナハン(ミッシェル)
    Ne-Yo(ケビン・ハリス伍長)
    マイケル・ペーニャ(ジョー・リンコン
    ルーカス・ティル(-)
    アデトクンボー・マコーマック(-)
    テイラー・ハンドリー(-)
    コリー・ハードリクト(-)

あらすじ

1942年、ロサンゼルス上空で発光する謎の飛行物体25機を空軍のレーダーがとらえる。その後もブエノスアイレスやソウル、ロンドンでも未知の飛行体が目撃されたが、その真相は不明だった。
そして2011年、これまで世界各国で確認されたUFO事件を通して人類を監視してきたエイリアンたちがついに侵略を開始し、ロサンゼルスで海兵隊と市街戦を繰り広げる…。

予告映像

感想

事前情報だと『宇宙戦争』と『ブラックホークダウン』を合わせた様な作品と言われてましたが、蓋を開けてみれば「米軍は決して諦めないぞ!!」という単なるPR映画でした。
アメリカ本土で米軍が活躍するシチュエーションを作り出す為にエイリアンという侵略者を登場させ、同時に「相手が人間じゃないからOK」的なジャッジで視聴制限も緩和され広い年代に「米軍のかっちょ良さ」をアピール出来るという寸法だ。
(ちなみに、あらすじや予告で言われている1942年の事件は本編には一切出て来ません)
 
そんな訳でエイリアンの目的は地球の豊富な資源であり、邪魔な人間は見つけ次第処刑するんだけど、そういった残忍な部分を映像として見せないから彼らの恐ろしさがこれっぽっちも伝わってこない。
街には原形を留めた死体しか転がっておらず、米兵が撃たれても腕が千切れるでも内臓が飛び出る訳でもない。
画面全体が小奇麗なため本来は地獄絵図である筈の最前線の空気感が全く感じられないのだ。
こんなんで『ブラックホークダウン』の市街戦とか引き合いに出しちゃダメよ。
 
肝心の宇宙人も行動がいちいち人間臭く異質感がないのも問題。
単に人がきぐるみ着ただけにしか見えないもん(苦笑)。
体一つで白兵戦仕掛けてくるというのはある意味斬新だけど、無人兵器があるのにそれをする意味が解らんし、索敵したり米軍を待ち伏せして罠に嵌めるなど知的な戦い方をするかと思えば軍事拠点を先に潰さず「虐殺じゃ~」ってな感じで万歳突撃してくるもんだから行動に一貫性なさすぎ。
しかも最初は幾ら撃っても死なないのに、解剖して解り易い急所が判明した途端ホイホイ倒せるというのも可笑しな話だ。
インデペンデンスデイ』しかり、『宇宙戦争』しかり、アメリカ人て自分達を格好良く見せる事を意識する余りエイリアンの設定をおざなりにするきらいがあるよね。
 
ラストも実にあっけなく僅かな生き残りで構成された主人公率いる小隊が衛星写真で見れば一発で解る様な、あからさまに怪しいポイントで敵の司令部を見つけ、ちょちょいっと撃破。
そこにたどり着くまでに個性のない隊員たちの犠牲と「民間人は見捨てない!!」「敵を前に退却はしない!!」「仲間の為なら命を掛ける!!」といったスローガン的な物を詰め込んで最後はヒロイックに勝利する。
 
ガメラ2』みたいな巧みな侵略物を期待してはいけません。
大して強くもないのに白昼堂々攻めて来た間抜けなエイリアンが勇敢な米軍の思わぬ反撃を受けて痛い目みるってだけの話。
まぁそういう意味では『ブラックホークダウン』っぽいですね(笑)。
 
最近流行りのフィクションをドキュメンタリータッチでリアルに描くのではなく、女子供は死なず敵の弾は主人公に絶対当たらない直球ド真ん中のザ・フィクション映画。
最初は「センスねえな!!」と思った邦題だけど、この内容を加味した上で付けたとしたら映画会社の人は天才だわww